ダーク62%の声
甘党の私は、仕事や勉強の合間に、チョコレートがむしょうに食べたくなる。頭に栄養の補給をしなくてははかどらない、ともっともらしい理由をつけ、休憩と称しチョコレートをむさぼるのである。ニュージーランドのチョコレートは日本のそれより少々繊細さには欠けるが、コクがあり、チョコレートを食べた満足感を与えてくれる。私がもっぱら好んで食べるのが、Whittakersのチョコレート。種類もフレーバーもたくさんあり、いつもどれを買うかスーパーで迷ってしまう。ある日のこと、スーパーに買い物に行った私は、チョコレート売り場で計画的に足を止め、今月の一枚を選んでいた。ココナッツ入りのもよいし、クリーミーミルクも捨てがたい、、ベリー&ビスケットもいいなあ。。5分くらいそこに滞在していただろうか、突然背後から、声が聞こえた。"Yes, indeed, this would bea very difficult decision in your life" (確かに、人生においてとても難しい決断だね)。そこで初めて、後ろに中年の白人のおじさんが立っているのに気付いた。おじさんもチョコレートを買うためにその場所に来たが、私がチョコレート選びに真剣に迷う様子を観察していたようだ。いつからいたのか。。ちょっと照れるなあ、、しかし私が難しい選択を強いられている(誰も強いていない。)ことに同情し、共鳴してもらったことは嬉しかった。私がおじさんに場所を譲ると、おじさんはお礼を言い、ダーク・アーモンド(62%)を3枚、ひょいと手に取り、言った。”This is the BEST”私は天からの救いの声を聴いたような気がした。迷いなく、ダーク・アーモンド(62%)を一枚かごにいれ、さっそうとレジに向かった。休憩タイムにひとかけら食べた。ローストされたアーモンドの香ばしい風味と少し苦めの、カカオの味の効いたダークチョコレートがなんとも絶妙なバランスである。おじさん、ナイス選択である。きっとおじさんも色々食べ比べたのち、彼にとってベストな一枚を見つけたのであろう。それからというもの、迷ったときはこのフレーバーだ。間違いない。(おじさんに)だまされたと思って試してみて!