PLEASE PLEASE ME



PARLOPHONE :PMC1202(MONO)/PCS3042(STEREO)



 

1963年3月22日発売

 

 

セカンド・シングル『プリーズ・プリーズ・ミー』が大ヒットしたことで

 

急遽ファースト・アルバムを製作されることになった。

 

「LOVE ME DO」「P.S I LOVE YOU」「PLEASE PLEASE ME」「ASK ME WHY」の

 

既発シングル盤4曲に、

4曲のオリジナル曲、6曲のカバー曲の10曲、全14曲を収録したアルバムで

1963年2月11日の日曜日の1日で10曲を録音。

この日はロックの歴史を変えたといっても良いほどの重要な日となった。

 

セッションは午前10時から午後1時、午後2時30分から6時、

午後7時30分から10時45分の

 

3回に分けて行われた。

 

全編ドライブ感溢れるロックと20代前半の若造が

作り上げる今までと違うメロディ・ライン

 

コーラスを多用した厚みのあるサウンド、そしてクリアな録音状態。

オープニングからエンディングまで30分満たないが、聞き終わった後の

「もう一度聴きたい」と「おなか一杯」が同居する

ビートルズの魅力はファーストアルバムから全開だ。

 

1963年春にこのアルバムを聴いたリスナーはどう思ったのだろう。

 

テーン・エイジャーは夢中になり、女子だけのポップグループかと思いきや

男子も夢中になってしまう極太ロックの部分もあり、

ビートルズのエネルギーを真空パックしたアルバムでもあると思う。

 

パンク・ロックがでた時の衝撃にも似た雰囲気がこのアルバムもある。

 

今回、このブログをはじめたのは

ちょっとしたチャレンジです。


商売をしてきて、一番好きなビートルズをあえてさけてきました。

自分より知識もレコードも持っている人たちと話す機会があり

話していると自分の知識の弱さに自信がありませんでした。


今でもあるわけではありませんが、

CDや書籍を販売している仕事をしているうちに

人の評価も大事だけど、もっと自分の意見も言っても

罰は当たらないだろう。と言う気持ちが年齢と共に高くなってきました。


ビートルズに関しては本当にすごいコレクターにも出会いました。

お宝もたくさん観る事が出来ました。

でも、見るだけではちょっとちがう。と感じていて、

ビートルズ遺産を自分なりに紹介したい。というのが

今回のきっかけでした。


その初めとして、全曲聴いてきて、ブートレッグも聴いたり、

ミックス違いも集め,自分なりの全曲解説書が書ければ。という夢を

現在はブログという形で表現できるのでやってみることにしました。


拙い文章ですがよろしくお願いします。



ビートルズの魅力はたくさんあるけど、

ひとつにコーラスが非常に上手いことだ。


「ビートルズは楽器を持ったコーラスグループだ。」ということを

読んだことがあったけど、そのとおりだと思う。


ジョン、ポール、ジョージが本当に同じくらい上手い。

音質も一人ひとり違うのにコーラスをやると、ピタッとあってしまう。

聴き始めたころは、リード・ボーカルは良くわかったけど

コーラスは誰がどこを歌っているのか良くわからなかった。


1962年10月にデビューした当時のポピュラー業界、特に英国はどうだったのだろう。

メンバーが演奏をしてきれいにハーモニーをつけることが出来る、

アメリカの1950年代の甘いコーラスと違う、音と音がぶつかり合うようなコーラス。


コーラスというもうひとつの楽器を持ったともいえるグループ。

ロック・ン・ロールをただの騒がしい音楽としか聴けなかった人たちにも

メロディの良さを引き立てtるための要素にもなっただろう。


でも、単純に考えてみると

結局フロントの3人が本当に音楽に対して貪欲で技術を磨くことを

いとわなかったから、ビートルズのスタイルが出来上がったのだと思う。


あこがれのアメリカのコーラス・グループをコピーし

一方ではチャック・ベリーやプレスリーの曲を演奏して

音楽に対する好奇心を4人は純粋に求めていった彼ら。


音楽、もしかしたらビートルズ(自分たち)に対して

「これでいいんだ」と立ち止まることをしなかったのではないか?



人間の発する声を自由自在に使えることは、楽器を弾く以上に

リスナーにシンプルに感動を伝える素晴らしい技術だと思う。


4人の歌の力がすごいからメロディも生きてきたと思う。

だから、彼らの魅力は色あせない・・・。


THANK YOU GIRL : サンキュー・ガール


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




日本では「NO.2」のA面3曲目に収録された。実はシングルB面曲だったということを

知ったのはいつだったのか?


1963年4月11日に英国では3枚目のシングルとして発表された

「フロム・ミートゥ・ユー」のB面曲として発表された曲。


フロム・ミー・トゥ・ユー・ソング・レビュー


ジョンとポールの共作でハーモニカ・シリーズの曲。

ギターはジョンもジョージも同じように弾いているけど、

ジョージが特にリズムを作り出しているように感じます。


リンゴは細かいおかずを入れながら、淡々といつものように叩き、

エンディングではスネアだけのフィルイン、タムタムを使ったフィルイン、

最後はブレークするためのギター、ベースと合わせて

コンビネーションの良さを感じさせる。


ヴォーカルのジョンとポールの息の会い方は完璧で

3枚目のシングル曲(B面)だけど完璧で隙がありません。


といっても、やはりA面曲としては弱い感じがして、

「フロム・ミートゥ・ユー」と比べると似ているけど、どこか足りない印象。


「良い練習曲になったよ!」なんて発言していて、

ポールもあまり積極的な思いではなかったようだ。


ステレオ・ミックスとモノラル・ミックスではハーモニカの入り方が違って

モノラルはイントロ、サビ、3番の終わりの3ヶ所にハーモニカが入っているが、

ステレオはそれに加えて、サビの途中とエンディングにも入っている。

現在、モノラル・ミックスは「パスト・マスターズ Volume 1」に、

ステレオ・ミックスは「キャピトル・アルバム・ボックス ’64」に収録されている。


個人的には嫌いで無いし、好きでもない普通の曲なんだけど、

なぜか、US盤「SECOND ALBUM」で聴くと良い感じに思えます。

派手さが無いけど、結果的にマニアックなアルバム選曲がそう思わせるかもしれません。





THERE’S A PLACE : ゼアズ・ア・プレイス


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




日本では当初「ビートルズ NO.2に収録

A面のラストを飾っていた。


録音は1963年2月11日の午前中

一番はじめに録音開始した曲

ジョンが作った隠れた名曲のひとつ。

シングル曲としても意識して作ったようで、ハーモニカの入り方や雰囲気が

セカンド・シングル「プリーズ・プリーズ・ミー」となんとなく似ている。

ジョンのボーカルは割れたような迫力のあるもので、ちょっと違うぞと

思わせる何かを感じる。(何かは良くわからないけど・・・・。)


ポールのコーラスも高いところできちんとキープしている。

ここの声が出るかでバンド内ではポールを出来る権利がもらえる。


後追いのビートルズ世代としては、最初赤盤、青盤から入り、

もしくはベスト盤「オールディーズ」といって、

オリジナル・アルバムを買っていったんだけど、

1976年までは「プリーズ・プリーズ・ミー」「ウイズ・ザ・ビートルズ」は

オリジナル仕様で発売されていなかったので、聴くなら

上の「NO.2」か「ステレオ!これがビートルズ 1」を聴くしかなかった。



日本デビュー盤の「ビートルズ!」がベスト盤状態なので

次は「ビートルズがやって来るヤア!ヤア!ヤア!」を回りでは購入。

なかなか、この曲を聴くことがなかった。


だから、ちゃんと英国オリジナル仕様でB面の6曲目に位置する

「ゼアズ・ア・プレイス」を聴いた時のショックは、すごかった。


「まだ、名曲が隠れていやがったぜ!!」


2分に満たない1分49秒という短い時間に

複雑なメロディライン、転調ありと色々仕掛けてある。

すごい目立たないところに収録してあるのに、出口の前に大きな仕掛けがあったような感じ。



この曲は「プリーズ・プリーズ・ミー」のアルバムで聴かなくてはいけない気がする。

そう、次の大波が控えているからかもしれない






P.S.I LOVE YOU : P.S.アイ・ラブ・ユー


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




B面2曲目収録。ポールの個性が静かに出ている。


1962年9月11日録音。


デビュー曲「ラブ・ミードゥ」のB面に収録された曲。

この曲のドラムスはアンディ・ホワイトでリンゴが叩いてるテイクはない。

リンゴはマラカスのみ・・・。これもリンゴにとってはトラウマ状態。


ビートルズの曲で特徴の「イントロ無し」の最初のナンバーでもある。

デビュー曲からやっていたことなんですが、これがかなり新鮮だったんでしょう。

モノラル録音のみで、ステレオと謳っているのは、高温と低音を分離した

ニセモノ・ステレオ。


演奏は駅前で歌っているお兄ちゃん達と同じような

ギターとベースだけで、今思うとデモ・テープのようだけど

コーラスが素晴らしい事と、曲の素晴らしさがチープさを感じさせない。

恐るべしビートルズ!!


正直「ラブ・ミードゥ」より曲の複雑さやビートルズのコーラスを堪能するには

こちらの方が良さそうなんだけど、ブルースなところやハーモニカの差で負けたのかも・・・・。

どちらにせよ、2曲ともポール(主導)の作品なので、キャパの広さを何気に魅せつけている。


本当に良い曲書くよねぇ~。

ジョンが妬けるのもわかるよ!!




A TASTE OF HONEY : 蜜の味


WRITTEN BY SCOTT - MARLOW



B面5曲目に収録。あまり目立つ場所では無かったですね。


1963年の2月11日午後から録音開始。



1960にミュージカル『蜜の味』のために書かれ、翌年の映画化された際の主題歌でもあります。

ビートルズは1962年にレニー・ウエルチが発表した歌入りバージョンをカバーした。


20年位前に、今は懐かしいレーザーディスクのソフトで

「ブリティッシュ・インヴェンション」という、当時としてはお宝満載のタイトルがあり、

ビートルズがカラーで演奏する「SHE LOVES YOU」ではじまり

1967年のフラワームーブメントで終わる、ロックの教科書みたいなもので

暇さえあれば見ていたのですが、ローリング・ストーンズを紹介するところで

「ビートルズは『蜜の味』をカバーしたが、ストーンズはやらなかった」なんて事を

ナレーションされていたので、この曲は「ビートルズの恥部」なのかと悩んだものです。


ジョンは、嫌々プレイしていたようで、

ライブでは「A WASTE OF MONEY」(お金の無駄)とふざけて歌ったりしたそうだ。


ポールのコマーシャリズムなのか?

『いい曲だからいいじゃない』って思っていたのかわからないけど、

この、ポールの感性が結果的にただのロックバンドに終わらなかったような気がします。


ヴォーカルは初のダブル・トラック・ボーカルで(サビの部分だけ)録音されていて、

ポールの歌に厚みをつけている。アルバムの中ではこの曲のみ。

コーラスも美しく、さすがにデビューアルバムなのかジョンも真面目にやっている。

リンゴのドラムはワイヤー・ブラシを使って、しっとりとプレイしてます。


ポールはノビノビきれいに丁寧に歌っているようで

結構、この手の曲が好きなんだなぁ。と思ってしまいます。


ビートルズをロックのみで語るには、どうも分が悪いイメージですが

さすが、ビートルズという甘いだけの演奏じゃないのはジョンのお陰かもしれない。


個人的には、結構好きなんです。

ホッとするんだなぁ~。








1963年頃のライブの写真ですが、ちょっと珍しくないですか?

小さくてわかりずらいけど・・・。


ジョージのギター・・・


ギブソン・レスポール・ジュニア


を持っているのです。


この頃は全部グレッチかと思ったので、はじめてみたときはびっくりでした。


なにげに新発見か?


何の曲を演奏しているんだろう・・・。



ちなみに1963年の10月17日

あまりにもすごいファンを見て英国の新聞が

『ビートルマニア』という造語が使った日。


ビートルズは同じ日に初のクリスマス・レコードを録音。

高校に入学してから、バンドのことで頭が一杯になった。

(たまにプロ野球)

この頃はビートルズだけでなく、ストーンズ、ピンク・フロイド、ZEPなど

当時王道のロックを下手なりにやっていた。


しかし、本格的に活動したのは社会人になってからで

メンバーも固まって、生意気にもオリジナル曲をやって、ライブハウスに出たりした。

曲を作ると、録音したくなるのがビートルズマニアなので、

4チャンネルのマルチトラックレコーダーを購入。

カセットテープでFOSTEX250という機種だった。


仕事から帰ってきて、ひたすら録音。

曲を作っては録音。

楽しかった。


やはり、ビートルズのミックスを参考に

当時のアナログ盤のステレオ・ミックスは

右に演奏、左がヴォーカルというもので、ヴォーカルを絞れば

カラオケ状態にになるものだった。


今では信じられない、ステレオ・ミックスだが

自分の作った拙い曲でも、気分はジョージ・マーティン!!

トラックダウンを楽しんだ。


今はデジタルで8チャンネルは当たり前。

16チャンネルのハード・ディスク・レコーダーが

ちょっとがんばれば買えるような時代。


羨ましいけど、4チャンネル、カセット録音で

工夫したのも、今となっては貴重な実験だったと思う。


ビートルズは3チャンネルではじまり

「抱きしめたい」から4チャンネル。

「ホワイトアルバム」(ホワイル・マイギター・・・)から8チャンネルだ。


やはり、技術以上にセンスとイマジネーションなんだろうな。

何でも出来すぎるより、それなりの縛りがあった方が頭も使うから

すごいものが出来るのだろう。


ビートルズを聴くたびに、センスとイマジネーションと熱意を感じる。

その気持ちはバンドを本格始動した頃から変わらない。

MISERY : ミズリー


WRITTEN BY LENNON-McCARTNEY






1976年に日本でやっとオリジナルの形で発表になった

ファースト・アルバム「PLEASE PLEASE ME」。感激したなぁ。



ファースト・アルバム「PLEASE PLEASE ME」A面2曲目に収録。


元々は当時のイギリスのアイドル歌手ヘレン・シャピロに歌ってもらおうとして

ジョンとポールが作った歌。

ジョンとポールもデビューしたものの、まだ自分達がロックの歴史を

変える存在になるとは夢にも思っていなかったと思う。

だから、作曲家として将来食っていけるように、一緒にツアーをしていた

ヘレン・シャピロに売り込んだんだろう。



結構、冷静に将来を考える姿に、人間臭さを感じたりする。


目立つ曲ではないけど、とてもポップで憶えやすいメロディで

ヘレン・シャピロが歌ったら「LOVE ME DO」より売れたかもしれない。

(彼女の代表曲に「子供じゃないの」がある。日本でも60年代にカバーされている。)


この曲の肝はジョージ・マーティンが弾いているピアノだ。

とてもいいアクセントだと思う。

イントロのバラけたギターも良い味出している。


タイトルが暗いのに明るいメロディが、ただのポップ・ソングにしないぞという感じで

これからのビートルズのひねくれ度を図る意味でも面白い。


「隠れた名曲」という言葉はビートルズにどれだけ当てはまるかわからないけど、

アルバムにひっそり収録されている曲にも油断できないクオリティの高さを

初めて意識した曲でした。