HOLD ME TIGHT : ホールド・ミータイト 


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




日本ではこちらのアルバムでデビュー。だから結構知られている。


1963年9月12日水曜日 録音


「LITTLE CHILD」と同じくらい良くない曲だと思う。

ポールも後に「失敗作だ。」と認めている。

ビートルズの曲って以前に書いたけど、録音が異常に良いのだ。

だけど、この曲はリズムがダンゴ状態で来るのはいいけど、どうもただの塊のようで

かっこいいより少し不快感。

初めて聴いた時から、マイベストを作るときに全く思い浮かばない曲でもある。


ドラムもシンバルがガンガンなっていて、ゴワゴワしたリズムギター

何度聴いても、『良い曲』とは思えない。

個性的な音でもあるし、もう少し何かがあればと思わせるものは確かにある。


まあ、ポールらしい強引さが今回は上手く出なかったみたいだが、

このような曲を書いたからこそ次がある。







ROLL OVER BEETHOVEN : ロール・オーバーベートーヴェン


WRITTEN BY BERRY




このカップリングは、ちょっとすごいです。日本のシングルも良いセンスのもあります。


1963年7月30日火曜日録音


ロック・ン・ロールの神様チャック・ベリーの名曲をジョージのリード・ヴォーカルでカバー。

イントロのジョージのギターはグレッチのギターサウンドがとても心地よく、

2小節目からいっせいに他のメンバーが怒涛のように入ってくるところが本当にかっこいい。


リンゴのタイトなドラムスとポールのうねるベースで、しっかりリズムをつくり、

聴け!これぞ、ロック・ン・ロールだ!!というサウンド!!!

ジョンは頑固一徹に「俺は俺だ!!」というソリッドなリズム。

本当に上手いと思う。「ビートルズの演奏は下手。という人はどういうつもりだろう。

あまりにもまとまりがいいから誤解されたんじゃないか?と

深読みさえしてしまう。


ハンド・クラップを使ったリズム強化が、混沌とした演奏にすっきりした印象を際出させる。

ジョージのヴォーカルは力まず、線は細いけど、余裕をもって歌っている。

昔から歌っていたんだろうなと思わせるスイング間がいいです。


この曲の素晴らしさと彼ら演奏のすごさを感じさせたのは、

ハリウッド・ボウルでのライブ音源だ。

アナログ盤ラストを飾る曲として収録されていたが、

スムーズというより、すべるような演奏で完璧に近い。

ギターソロのあとにブレークを入れたり、余裕のアドリブを入れたり

ライブ盤のハイライトのひとつだ。

影響受けたバンドもあったように思える。(自分もそうだけど)


1964年の最初のUSツアーのワシントンD・Cライブのオープニング・ナンバーでもありました。

これもかっこいい!!ジョージのボーカル曲では珍しいパターン。

アメリカに敬意をはらったのかもしれませんね。


「俺達はあなた達の国の音楽でここまで来ました!!」ってな感じで・・・。


TILL THERE WAS YOU : ティル・ゼア・ウォズ・ユー


WRITTEN BY WILLSON




日本盤セカンドアルバムでは堂々エンディングを飾った。


1963年7月30日 火曜日 録音


アメリカではかなり有名で誰もが知っているくらいのブロードウェイ・ミュージカル

「THE MUSIC MAN」で発表された曲で1961年にペギー・リーがカバーしたバージョンを

ビートルズのレパートリーにした。特にポールが推したのかもしれない。


単純に考えると、ロック・ン・ロールバンドがよくカバーしたものだ。と思える

曲調であり、同じポピュラー音楽でも遠く離れた感じがする。

1960年代前半はその辺、まだカテゴリーが分かれていなかったのかもしれない。

50年代に全盛を誇ったロック・ン・ロールがビートルズによって復活したばかりで、

甘いポップスが世界ではメジャーだったろうし、当時の音楽番組やコンサートの

プログラムを見ても充分理解が出来る。


まだ、ビートルズの音楽はマイノリティだった。だからビートルズ、特にポールは

プロデュース感覚が他のメンバーより高いように思えるので、

世間とビートルズのギャップを埋めるためにも、このようなスタンダート曲を選んだのだろう。


ファーストアルバムの「蜜の味」と同じポジションのような曲だが、

演奏的にはかなりすごいように思える。


まず、ジョージのクラシックギターだ、どう考えてもジャズのコードが入っているので

あまり上手くないという評価のジョージがこなしているのを見るととても頼もしい。

ジョンのリズムギターは存在感を殺したり、生かしたりバンドとしてのジョンを演じている。

リンゴはボンゴでリズムを刻む、次回のアルバムでも重要な楽器のひとつだ。


ビートルズはただのロックバンドに終わらないひとつの要因は

このようなジャズ・スタンダート曲もきちんと演奏し、自分達のものにしているところだ。

そのようなキャパの大きさが、溢れる才能を形に出来るテクニックになっていくのだろう。


初期のライブでも頻繁に演奏しているのも、全世代を相手に音楽を作っているようにも思える。


日本でも人気がある曲だったようで、リアルタイムに聴いていた世代のファンには

ペギー・リーのレコードや音源を探していた人もいましたね。

ビートルズの演奏の上手さを再確認できる曲でもあります。



LITTLE CHILD : リトル・チャイルド


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




A面6曲目に収録、微妙なポジションです。


1963年9月12日録音


ジョンとポールの数多い作品群の中でも、かなりやっつけで作った曲のように思える。

無理やり、4人がロック・ン・ロールを演奏しているような、不調和なノリに感じる。

だからなのか、まとめ上げるのに苦労していたかのように20テイク以上演奏している。


正直いって、駄作だと思う。

ビートルズ原理主義を持ち出しても間違いないと思う。

彼らも人間だから失敗もある。


録音も妙に悪い。ダビングのし過ぎなのか?


ジョンがハーモニカをやけくそのように全編吹きまくっている。

なのに、ジョンとポールが仲良く歌っている。

ライブを想定していない曲なのだろう。

それとも、間違いは二人で共有したのか?


B級グループ・サウンズのような勢いであるが、ジョンとポールのヴォーカルが

ギリギリ上へ上へと引っ張っている。





DON’T BOTHER ME : ドント・バザ-・ミー


WRITTEN BY HARRISON




日本のデビュー盤に収録。英国よりも地位が高かったのか?


1963年9月12日火曜日録音


ジョージのオリジナル・ソングのデビュー曲です。

退屈しのぎに書いた、地元の音楽ライターにしつこく作曲しろ。といわれたため書いた。など

諸説ありますが、どちらにせよ「ドント・バザ-・ミー(邪魔をするなよ!)」とは

ジョージの皮肉屋キャラがデビュー曲から出ています。


この曲の特徴は色々とパーカッション類がダブル・トラックで入っていて、

ポールは拍子木、リンゴのボンゴ(恋のアドバイスのような叩き方)

ジョンはブレイクしようが関係ないタンバリンを担当している。(笑)

みんなでジョージの曲を盛り上げています。


ジョージのギターはトレモロをかけた独特のリズム感を醸し出し、

ポールは、ジョージの曲ではめちゃめちゃ張り切ってベース弾きまくっています。

(リード・ボーカルを採らないから、ベースでアピール)


ジョンとポールの作った曲とはやはり違う、ジョージ独特の音階がそんなに上下しない

個性的な曲で、バンドでやるにしてもパッと出来そうな雰囲気がある。

そんな親しみやすさがジョージの特長のような気がします。


一生懸命、ジョージが歌っています。

最初のオリジナル曲かもしれませんが、どこか緊張感が漂っている気がする。


このあと、ジョージの曲は1965年まで聴けなくなるのは残念ですが、

とりあえず、はじめの一歩を踏み出した記念すべき曲。

現在「WITHE THE BEATLES」とその周辺の曲のレビューをしています。


いままで、日本での発売に合わせてやっていましたが

どうしても違和感があって難しいので、ありがちかもしれませんが

わかりやすさを考えて、オリジナル・アルバムの曲順に進めていく形に変えます。


ただ、極力時系列にレビューをしていきたいので、アルバムの合間に

シングル曲を挟んでいく予定です。


よろしくお願いします。


ALL MY LOVINGは9月28日にアップしています。


ALL MY LOVING ソング・レビュー


ALL I'VE GOT TO DO : オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




日本盤ではA面5曲目に収録だけど、やはり2曲目のほうがいいよね。


うーむ、この曲のすごさはどう説明するんだろうと思ったけど、

単純だけどジョンのボーカルのすごさが際立つことが第一。

ファーストアルバムでカバーした「ANNA」「BABY IT'S YOU」をジョンが

自分なりに消化して、オリジナルとして成立している。


セカンドアルバムの2曲目の位置って、当時はどのように考えていたのだろう。

単純なコード進行にジョン独特のメロディをのっけて、オープニングのドライブ感を

何気なく抑え、ジョンのリードボーカルが引っ張っていく。


この切ないボーカルのジョンは23歳。早熟の天才というしかない。

盛り上げる時のアドリブボーカル(YHEAとかOHとか)の使い方がたまりません。

そんな、ギミックが曲の味わいを深くしていく。


ポールのベースはこの曲で和音ベースを披露。これも味わい深くするテクニック。

リンゴのドラムスは「ANNA」のパターンを上手く使って、曲の良さを引き立たせる。


とにかく、オリジナル曲に対して上手くアレンジを考えている。

4人でやる演奏を出来るだけシンプルに効果的に聴かせるマジックを

この頃にはもう出来上がっているのがすごい。


ビートルズのA面の2曲目にはこれから

シングルカットされなくても名曲を配置していくようになる。

お見事です。



I'LL GET YOU : アイル・ゲット・ユー


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY




名曲「SHE LOVES YOU」のB面に収録。


1963年7月1日月曜日に録音。


日本編集盤に収録されなかった珍しい彼らのオリジナル曲。

そのためなのか?個人的にはかなり遅れて知った曲で、存在は知っていても

CD「パスト・マスターズ」になってまともにフルコーラスを聴いたような気がする。


ビートルズマニアとしては失格なのかもしれないけど、後追い世代としては

ビートルズだけでなく、ストーンズ、フー、ピンク・フロイドも聴かなくてはいけなかったので

その辺は良い言い訳しときます。


今回の私家版ソングレビューでも遅れ気味の紹介も自分の中での位置がわかるものですが、

といっても、やはりこの頃のビートルズの勢いを感じさせる曲で

ユニゾンでジョンとポールが歌う呼吸がぴったりで本当に中の良さを感じさせる。


曲調はミドルテンポのポップ・ロックという感じで彼らの好きだった

音楽のエッセンス満載の曲。

メロディが少しずつ盛り上がっていくようで、階段に登っていくような高揚感があります。


演奏はもうとてもシンプルで、誰でも演奏できそうな感じですが

ヴォーカルのすごさでかなり持っていっています。


これも隠れた名曲。


ビートルズには隠れた名曲が多すぎるので、隠れていないのを探すのが難しいです。(笑)

IT WON'T BE LONG : イット・ウォント・ビー・ロング 


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY



日本では「NO・2!」A面5曲目に収録。


英国でのセカンド・アルバム『WITH THE BEATLS』のオープニング・ナンバー!!

ビートルズの専売特許(?)のイントロ無しで始まる名曲。


1963年7月30日に録音。


この曲は当時のビートルズのエッセンスがかなり入っている。

ジョンが中心に書いた曲で、シングルとして意識して作ったようだが、

惜しくもシングル曲としては「何か」が足りなかったようだ。

それでも、成功の階段をエスカレーターのように登ってきている

ビートルズのセカンド・アルバムのオープニング曲なので

ジョンにとっては自信作だったのだろう。


いきなり、タイトルから入りジョンが吼える。

そして、ポールとジョージが「YHEA!]と応え、ジョンがまた応える。という

彼らの声が洪水のように空間を飛びまわる。


メロディーに入るときのジョージの「ジャカジャカジャン」のアクセントが新鮮。

「ドパーント」いきなり大波でリスナーの心をつかみ、メロディが引き潮のように

美しいコーラスと共に聞かせ、大サビの「SINCE YOU LET.・・・」のメロディーは

静かな水面を思わせ、少しづつ盛り上がり、またまた「ドッパーン」と

追っかけのコーラスと共に大波がやって来る。

ジョンの作曲能力はリスナーが何を望んでいるのか?

どうサプライズを用意したらかっこいいのか?

わかっているようなところがにくいっす。


3つのパートの展開が素晴らしい。


コーラスの追っかけ、後追いは

「プリーズ・ミスター・ポストマン」の要素が見え、イントロ無しは

「オール・マイ・ラビング」につながり、どこか黒っぽさは

アルバムに収録のカバー曲に通じる。


まるで、アルバムに導く道案内のような曲にも思える。

曲の終わりはハーモニーで終わる「SHE LOVES YOU」と兄弟のような曲。


しかし、オープニングナンバーの割には不当に『隠れた名曲』扱いには納得できない。

英国以外ではどうしてもシングル曲中心の編集盤が多いためなのか?

インパクトのあるこの曲は、アルバムを埋めるための位置的におかれていたりする。

各国の編集盤でもあまりに収録されていない。


当時としては黒っぽい感じすぎたのだろうか?


個人的には初めて聴いた時はかなり衝撃的だったので、

一般的には隠れた名曲だけど、ビートルズの王道の曲だと思っている。

エース投手ではないけど、ローテーション投手には間違いない曲だ。


すごい好きです。


THIS BOY : こいつ


WRITTEN BY LENNON - McCARTNEY



抱きしめたい


1963年10月17日に録音され、21日にモノラルミックスが完成。

11月29日に発売


ビートルズの5枚目のシングル「抱きしめたい」のB面曲

1963年に発売されたビートルズのシングル盤の中で最強のカップリングかもしれない。

そのくらい、この曲の出来の良さ、コーラステクニックに感嘆してしまう。


初期のライブでもハイライトのひとつだったように思える。

マイク1本に、ジョンが真ん中でサイドをポールとジョージで囲み、

おもむろにジョンがイントロをかき鳴らし、

小さいブレスのあと、3部コーラスをぶちかます。


それまでにこんな、バンドがあったのだろうか?

あったはずだけど、これだけ個性とコンビネーションが融合している

バンドは無かったようなきがする。


モニターの無い当時のステージでこれだけのコーラスをやるには

1本のマイクで歌うしかないと思うけど、上手すぎです。

もし、もしですよローリング・ストーンズがミック、キース、ビル・ワイマンの3人で

やったとしたらビートルズのように絵になっただろうか?


無いと思います。(キッパリ)


サビの部分はジョンのダブル・トラックで編集したあとがよくわかります。

サビのあと、メロディー部分に入るのが普通に歌っていても難しそうなので

あえて、切り貼りしたのかもしれない。


それにしても、上手いコーラスです。

ジョンが23歳でポールは21歳、ジョージなんて20歳!!

イギリスの片田舎の若者が一生懸命練習したんだろうなぁ。と

勝手に想像しちゃいます。

なんか、下積み時代でも

純粋に自分達の音楽を追求していった様子を思ってしまいます。


1964年初のUSツアーでの演奏を見ると、自信たっぷりに見えて頼もしい。


ビートルズを演奏するときの難しい関門のひとつの曲ですね。


アンソロジー・プロジェクトのシングル

「フリー・アズ・バード」に収録のテイクはリハーサル音源をくっつけていますが、

笑いながら、本当に楽しそうにコーラスをつけている様子が微笑ましい。

(失敗しているのに無理やり進もうとしているところがおかしいんだろうなぁ。)