TILL THERE WAS YOU : ティル・ゼア・ウォズ・ユー
WRITTEN BY WILLSON
日本盤セカンドアルバムでは堂々エンディングを飾った。
1963年7月30日 火曜日 録音
アメリカではかなり有名で誰もが知っているくらいのブロードウェイ・ミュージカル
「THE MUSIC MAN」で発表された曲で1961年にペギー・リーがカバーしたバージョンを
ビートルズのレパートリーにした。特にポールが推したのかもしれない。
単純に考えると、ロック・ン・ロールバンドがよくカバーしたものだ。と思える
曲調であり、同じポピュラー音楽でも遠く離れた感じがする。
1960年代前半はその辺、まだカテゴリーが分かれていなかったのかもしれない。
50年代に全盛を誇ったロック・ン・ロールがビートルズによって復活したばかりで、
甘いポップスが世界ではメジャーだったろうし、当時の音楽番組やコンサートの
プログラムを見ても充分理解が出来る。
まだ、ビートルズの音楽はマイノリティだった。だからビートルズ、特にポールは
プロデュース感覚が他のメンバーより高いように思えるので、
世間とビートルズのギャップを埋めるためにも、このようなスタンダート曲を選んだのだろう。
ファーストアルバムの「蜜の味」と同じポジションのような曲だが、
演奏的にはかなりすごいように思える。
まず、ジョージのクラシックギターだ、どう考えてもジャズのコードが入っているので
あまり上手くないという評価のジョージがこなしているのを見るととても頼もしい。
ジョンのリズムギターは存在感を殺したり、生かしたりバンドとしてのジョンを演じている。
リンゴはボンゴでリズムを刻む、次回のアルバムでも重要な楽器のひとつだ。
ビートルズはただのロックバンドに終わらないひとつの要因は
このようなジャズ・スタンダート曲もきちんと演奏し、自分達のものにしているところだ。
そのようなキャパの大きさが、溢れる才能を形に出来るテクニックになっていくのだろう。
初期のライブでも頻繁に演奏しているのも、全世代を相手に音楽を作っているようにも思える。
日本でも人気がある曲だったようで、リアルタイムに聴いていた世代のファンには
ペギー・リーのレコードや音源を探していた人もいましたね。
ビートルズの演奏の上手さを再確認できる曲でもあります。