名作過ぎて、自粛要請に乗じて映画ファンとなった、にわかの私がどうのこうの言えるものではない。ゆえに、本記事はただの備忘録である。
さて、本作品の舞台は1900年代初頭のアメリカ。マフィアの抗争を描いた物語である。実に重厚で、骨太である。
組織を率いているのは、ドン・ヴィトー・コルレオーネ。シチリアからアメリカに流れ着き、腕一本でのし上がった。
噂には聞いてたが、イタリア人はファミリー(家族)をとても大切にする。家族は血の繋がり。血の繋がりは誇り。
彼らは誰よりも誇りを重んじ、それが汚されれば相応の報いを与える。敵味方は問わないし、手段を選ばない。
ゆえに敵も仲間も、人がたくさん死ぬ。涙もたくさん流れる。
じっとりと血を含んだ、重たい作品だ。
もしかしたらこのような作品、現代の人間関係が希薄で乾いた時代には、評価されにくいかも知れない。日本では特に。家族の絆という言葉すら過去のものになっているこの国では、ドン・コルレオーネの思いは伝わらない気がする。
名作と言われながらも、どこか遠い国の遠い時代にあったこととして感じてしまう。もしこれが問題だとしたならば、「日本人」ではなく私個人の問題であってほしい。