[小説] あなたの月 | そうでもなくない?

そうでもなくない?

なにが あるか わからない だから あるがまま ありのまま でありたい
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空には灰色の厚い雲

いまにも雪が落ちてきそうな

12月26日の夜

コートの襟を立て家路を急ぐ

ふと空を見上げ思う

あの雲の向こうには

見えないけれど月が輝いてるのだろうか

今宵は上弦の月

時経つにつれ満ちてゆく月

七日の後には満月となる

あなたが纏うベールの向こうにも

月は輝いているのだろうか

上弦なのか下弦なのか

きっと幸せの光に満ちたまあるい月だろう

その光は私には届かない

聖なる夜、あなたは他の誰かと月の光を満たした

私の心は新月のよう

真っ暗で

あなたには見えない月

そこにいることさえわからない

私の月も輝かせたい

あなたの光で満たされたい

風が吹き雲が切れ

不意に私を照らす月

あなたのベールをこの雲のごとく剥ぎ取り

あなたの月を見てみたい

あなたの中のまんまるい

まあるいまあるい赤い月





#ホラーです #ロマンスのかけらゼロ #甘味料ゼロ #ご笑納ください