新海誠監督の『秒速5センチメートル』を観た。
夜中に地上波で放送していたから、録画して。
素直な感想。なんだかつらかった。
恋愛の物語なのか。
主人公たちの抱えている思い、切なさが理解できなかった。
いや、理解できなかったというより、もうすでに忘れ去っていると言ったほうが近い。
高樹も明里も花苗も、もう自身を投影するには年齢が離れすぎている。
終始、別の理由で胸が締めつけられるような気持ちで、彼らのことを思っていた。
この先どうなるのか、なにが起こるのか。心配でたまらなかった。
みんな幸せになればいいのに、なんだかそうならないような気がして。
結局、誰もその距離を縮められないまま大人になり、でもそれぞれ人生を進めてゆく。
その速さは、秒速5センチメートルなのだろうか。
結局、距離は縮まらないまま終幕を迎えた。
鳥肌が立った。なぜだろうね。恋物語とは別のなにかが、心に染み込んだからだろうな。
観終わったあと、この物語で新海監督がなにを伝えたかったのか、染み込んだものがなにかを知りたくて検索した。
公式サイトなのかな。ここにたどり着いた。
新海監督の思いが伝わってきて、また鳥肌を立てた。
誰かがこの作品を「逢えない『君の名は。』」だと言った。
少し納得した。
また、新海監督の映像に対するこだわりも知ることができた。
アニメーションで綴られる文学。
他の作品も観てみたいと思った。
小説版も出ているようだ。しかも、君の名は。と同様新海版と加納版。
近いうちに読んでみよう。
きっと、別の感動と鳥肌が立つに違いないから。
秒速5センチメートル。その速度を大切にしたいと思った。
この世界の速さに追いつけない僕にとって、桜の花びらが落ちる速度、雪の舞い落ちる速度を忘れないようにしたい。
そう思った。
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※放映中はCMが一度もはいらなかった。テレビ朝日の本気と引越し侍の覚悟が伝わってきた。尊敬。