人生で目にするはずの9割をこの本でクリアした | そうでもなくない?

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最高だった。

 

人生において目にする「ブス」という言葉(文字)の9割が、本書でクリアとなった。

とにかく愉快で痛快、最高のカタルシスを得られる良書。さらに、綺羅星のごとく金言が散りばめられていたが、そのほとんどをスッキリ忘れられるという、情報過多時代にふさわしい、脳みそに優しい本である。

 

そんなこと言っていいの?と思われるかもしれないが、著者自身が「この本の共通テーマは「伝えたいことは特にない」である」「できれば深い話はせず「からあげうまい!」というようなことを延々言い続けて金をもらいたいと思っているし、それがダメならなにも書かずに金をもらいたい」と述べているので問題ない。

 

ひとつだけ強く伝えたいのは「楽しくなりたければこの本を読め」ということだ。

 

 

せっかくなので、以下に至極の金言を記録しておく。忘れそうだから。

 

 

 

もっと色んなブスがいる、「ブスは細部に宿っている」「みんな違ってみんなブス」

 

また、恋愛、結婚においても、全世界の男に「爆笑or無言」というリアクションを頂戴する顔の女

 

つまり、絶対に「医学の進歩が追いついていないブス」は登場しない。

 

このように、ブスの恋にも「恋をしないブス」「自分だけで完結させるブス」「打って出るブス」とさまざまであるが

 

「仕方なくグループになったメンバーがたまたま全員オタク」という驚異の自然現象の結果である場合が多い。

 

ブスであるがゆえに、なめられてはいるが捕食対象にもならず、女同士の戦い自体から除外され面倒事を回避している。生態ピラミッドでいうところの「菌類」という、おいしいポジションにブスがいるのだ。

 

確かに、美人にも色々タイプはあるが、スリーサイズがベイマックスと同じ美人など、あまりにも基準から逸脱している美人はそうそういない。その点、ブスは体重0.1トンのブスから、ウエスト58cm・Fカップのブスまで、非常に幅が広い。

 

むしろ、「自分の低品質に、絶対の自信あり」の逆JISマーク保持者なのである。

 

「ブスはブス同士、ブス皆平等で仲良くやればいいじゃない」と言うのは、ハゲに悩む人に「同じ毛だから」と陰毛を移植してしまうぐらい乱暴な話である。

 

まさに「第一次書類審査で落ちた女だけを集めて作ったアイドルユニットの鮮烈デビュー」である。

 

前に「『ブス』は『バルス』に匹敵する滅びの呪文だ」と書いたが、言う方にとっても滅びなのだ。ムスカの目もイカれるが、シータとパズーも両目を押さえて悶絶、というダブルノックアウト型式である。

 

ブスハラについて訴えようとしたら、まず社内に「ブス」という立場があり、「我こそがブスである」という説明から始めなければいけない。

 

だが、量産型ブスたちは、別に『小悪魔DOBUSU』とかを参考にして、同じようなブスコーデをしているわけではない。

 

まず、今まで一度も化粧をしたことのない女がいきなりファッション誌通りのメイクができるかというと、まず無理であり、ナチュラルメイクどころかアンナチュラルな、文字通り「自然界には存在しない生き物の顔」になる。

 

よって、街中で一様に同じようなダラッとした小汚い格好をしたブスの集団を見つけたら、「何かの修行中なのだ」と思って、手を合わせてほしい。

 

「木を隠すなら森」と同じように、「ババアを隠すならブス」。つまり「ブスは最大の防御」なのだ。

 

ユニクロの服は、誰が着ても無難に仕上がる。たまに、ユニクロに入ってきゃりーぱみゅぱみゅ風ブスになって出てくる天才もいるが、

 

とにかく塗れば塗るほど、盛れば盛るほど良いと思っており、もちろんやればやるほど良くなる華やかメイクもあるだろうが、ブスの盛り方は、茶碗に飯を盛れるだけ盛って、下の方は餅状になっている盛り方なのである。

 

傍から見れば、美輪明宏声で「黙れ、ブスども!」と言いたくなるような光景だが、アシタカが来ないブスは、こうやって己を救い合っているのだ。

 

担当者から寄せられた案を見直してみると、ひとつ燦然と輝く文字を見つけた。そこには「クソブス」と書かれていた。貴様、言って良いことと悪いことがあるだろう、と思った。

 

だが、もし「なりたい自分にしてやろう。ただし、ブスのまま」と言われたら、とりあえず「全部ダメってことじゃねえか!」と、神にローリングソバットを食らわせたあと、“じゃあもう顔はブスのままだとしたら、自分はおどういうブスになりたいのだろうか”という理想のブスについて考えるだろう。

 

大体「無頓着ブス」は、化粧もしない。化粧というものは、基本的に肌に悪いものされており、化粧を落とさず寝るのは、顔にウンコを塗って寝るに等しいとさえ言われている。

 

その昔、何の気なしにテレビを見ていると「現役JK女相撲力士」を取材したという映像が流れ始めた。あまりのパワーワードに、逆にAVのタイトルでは?とも思えたが、

 

「このブスは私たちが作りました」と、娘の顔に生産者ステッカーを貼るぐらいが、親としての責任ではないだろうか。

 

これが、もし私が整理整頓ができる性格だったら「そろそろ部屋より顔を片づけたらどうだ」と言われたおそれがある。

 

ロシアの気温が「寒い」と「すごく寒い」しかないように、デブスの食欲も「ある」か、「すごくある」の二択でなければならないのである。

 

 

 

いかがであろうか。アマゾンなら明日には手元に届くだろう。バイブルとしてぜひ購入していただきたい。

 

 

念のため最後に言っておくが、私は容姿のことに対して見下したりあざ笑ったりしているのではない。カレー沢薫という稀代の言葉の魔術師、その才能を賛美しているだけである。炎上はお断り申し上げる。念のため。炎上させないでください。お願いします。