【10月の読書感想文】広告コピーってこう書くんだ!読本 | そうでもなくない?

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広告コピーってこう書くんだ!読本/谷山 雅計

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◯「なんかいいよね」禁止
「なぜいいのか。ここれこうだからじゃないか」「なぜカッコイイのか。こういう工夫をしたからじゃないのか」と考える。

◯コピーの“書く”は、「散らかす→選ぶ→磨く」
“磨く”ことばかりを考えたコピーは、ちょっと見は気が利いた表現のようでも、広告本来の目的である「人を動かす、モノを動かす」要素が欠けてたりする。

◯ボディコピーの書き方(超カンタン版)
最大の理由は「ボディコピーのよしあしは、文章力で決まるものではなく、対象物への思慮の深さで決まる」ことにある。

◯「描写」じゃない。「解決」なんだ
むしろ考えてほしいのは、「自分のペンの力で、いまある状況をなんとか変えてみせよう」ということ。コピーの第一の目的は、「描写」ではなく「解決」なのです。

◯人はコピーで嘘をつく
いいコピーを書こうと思うなら、世の中で言われている決まり文句をそのまま受け入れるのではなく、本当に自分がそう感じるのか、本当に世の中の人たちがそう思っているのかを、ちゃんと検証する目をもつべきでしょう。

◯アイラブ「東日本」のウソ。
コピーを書いたときに「本当はこう思っている人はいるのだろうか」と、しっかり考えることができるかどうか、です。

◯書き手のヨロコビ、受け手のヨロコビ(二毛作ジェルのワナ)。
まず書く時には、論理や意味で書いて、それをあとで自分自身で「生理的にどう感じるのか」とチェックする。

◯「原稿用紙」から世の中へ
コピーを書きながら、そこからそれが世の中に広がっていくイメージをどこまで描けるかによって、差が出ます。
ポイントは「受け手もまた発信者である」という意識です。

◯みんなが言いたいことを言わせてあげる
広告が広く世の中で話題になるためには、「みんなが言いたいことを言わせてあげる」という考え方が大切です。ポイントは「言ってあげる」ではなく、「言わせてあげる」のところにあるのですが。
“かに看板”のかわりに「JR東海CM出演中」という垂れ幕がかかっているのを見た人たちは、「やっぱり大阪は、シャレのわかるオモロイ街やな」「大阪商人はホンマしっかりしとるわ」という以前から言いたかった気持ちと共に、その広告キャンペーンのことを他人に話して聞かせます。しかも、ずっと言いたかったことだから、ふだんよりも一所懸命に話して聞かせてくれます。


◯スキがある方が、よくモテる
広告コピーは論文でもないし、演説でもありません。世の中の人たちも、立派な言葉を聞かされるより、コピーを使って遊べたほうが、そこによろこびや興味を
感じてくれるはずです。そのためのスキを、わざとサービスしてつくっているわけです。

◯カタチだけの納得。ホントウの納得。
コピー本来の役割は、「商品を買いたい」というところまで受けての気持ちをうながすことにあるのですから、めざすべきはあくまでも“ホントウの納得”でしょう。

◯ダメ出しを制約と思うか、ヒントと思うか。
本当の勝負は、ダメ出しをされてからどれだけ考えられるか。言い替えれば、ダメ出しを制約と思うか、ヒントと思うか。
佐々木さんたちは、アイデアはいらない、絵はがきでいい、という要望に対して、あの広告(そうだ 京都、行こう)で“最高にすごい絵はがき”を作ってみせてくれました。最高の絵はがきは最高の広告クリエイティブになる、と証明したのです。

◯本当にすごいアイデアって(小さな工夫)。
一見地味なように見えても、世の中の人が本当に必要としていて、まだ存在しないものを見つけ出す。これは、単に奇をてらっとことよりも、本当にすごいアイデアだと僕は思います。

◯正論よりサービス精神をもって語ろう。
正論を表現するときにこそ、サービス精神が必要です。正しいことを言おうとするからこそ、マジメでつまらなかったり、押しつけになったりしないように、コピーにも工夫が欲しいわけです。


◯企画書だけうまくなってはいけない。
いい企画には、生まれてきた道筋にちゃんとした理屈があります。だから、かならず、「これこれこういう理由で、この広告案ができた」と、きっちりとした説明ができるわけです。企画書はそれを再現するだけで、ある意味十分だと思います。
でも、企画書そのものには、特別な技巧を施しているわけではありません。「依頼に対して私たちはこう考えました」ということを、ものすごく素直に、ひとつの“だまし”もなく、奇をてらうこともなく、考えた順序で書いているだけです。けれども、その考えた戦略やアイデアが正しくて価値のあるものならば、企画書を読んだ人はおのずと説得されるでしょう。


◯「好きだから、あげる。」は、なぜ名コピーなのか。
大切なのは、どういう考え方は、いまはまだ「そんなのわかんない」であり、どんな考え方がちょうど「そういえばそうだね」であり、どういう考え方はすでに「そりゃそうだ」になっているのかを、ちゃんと把握していることです。

◯平凡と非凡。非凡と普遍。
こうした大貫さんの広告表現を見ていると、じつは「強い普遍」は、平凡な表現のすぐ横にあることがわかります。
平凡に近いということは、誰にもわかる“間口の広さ”があるということ。でも、広い間口から入っても、思考や仕上げを徹底的に“深く”追求するから、「強い普遍を」つくれる。
広告制作者として、最終的にめざすべきは、ここなんじゃないのかなとぼくは思います。