[ケツロッティの目]

南米のジャングルの空を狂ったように飛び回る「アゲアゲアゲハ」からは、羽に見られる上向きの矢印模様も相まって、いわゆる“アゲアゲ”な印象を強く感じさせられる。その習性としては通常の蝶より高い空を飛ぶだけでなく上昇気流に乗ることも上手いことが分かっており、成層圏近くの超高空を飛びまわる姿が観測用ドローンによってたまたま撮影されて我々研究者を驚かせた。また、常にハイテンションなその飛行スタイルの影響なのか、サナギから羽化して平均で24時間以内に死を迎える極めて短命な昆虫としても知られるなど、その短い生をナチュラルハイな状態で駆け抜けるアッパー系昆虫レレアである。