巨人漫画といえば、みなさん『進撃の巨人』を思い浮かべると思います、おそらく日本での巨人漫画の元祖はこの「さいとうたかを」先生の『デビルキング』ではないかと思います。
以前、ご紹介した『巨人獣』も1976年作品とそこそこ昔ですが、『デビルキング』はさらに遡って1969年です。
私の所蔵は復刻された文庫版。↓
意外と巨人漫画って少ないのですよね。野球の方の巨人漫画(読売ジャイアンツ)は多数あるのに。
巨人をメインテーマに据えた、日本三大巨人漫画といったらこの3作品です。
1969年「デビルキング」
1976年「巨人獣」
2009年「進撃の巨人」
他に1985年頃のあろひろし先生の「MORUMO 1/10」や2018年から連載の奥浩哉先生の「GIGANT」なども巨人漫画ですね。
海外だとハルクなどが巨人漫画の元祖でしょうかね。
他にあったら教えてください。ちょこっと巨人が出てくるのは結構あっても巨人がメインって意外と少ないのですよ。
そもそも、この「デビルキング」はさいとうたかを先生の貸本時代の未完作品を自らリメイクして出されたということで、オリジナルまでさかのぼると50年代になあるかもしれません。ちょっと正確な年代はわかりませんでした。
さて、この巨人漫画の元祖とも言える「デビルキング」のあらすじは以下です。
科学文明による自然破壊を危惧している天才科学者小早川により巨人とさせられてしまった藤本。
その巨人と化した藤本は、小早川や助手の古場に操られ民衆の前にあらわれ、自らを神と宣言する。
最初は破壊行動などを行うが、徐々に自らの意思で動きはじめ民衆を率いるようになり、本物の神とも自身も錯覚しはじめる。
そこへ米軍、新興宗教団体などの思惑が交差していく。最後は、この手の初代ゴジラがごとき切ない終わり方。
マッドサイエンティスト、小早川により巨人化する藤本。
顔を変え「神」を名乗り民衆に語りかけはじめる。
すぐれた漫画の多くが予言として未来のことを的中させているケースがありますが、
ここでも今では当たり前にあるプロジェクションマッピングを登場させていたりします。
藤本は、いつしか神(デビルキング)としての自我が芽生え始める。
しかし、人類に科学に苦戦を強いられ、追い詰められていく。
結末はネタバレになるので記載しませんが、比較的王道的な終わり方ではあります。
ただ、これが60年代に書かれているという事実を考えると、凄いことです。
巨人獣でさえ70年代終わり、進撃にいたってた2000年代ですからね。
本作品は電子で気軽に読めます!
レア度:☆☆☆
おススメ度:★★☆