先日、リサイクルショップ運営を行う
トレジャーファクトリーの野坂社長の話を聞いた。

すごく真面目で真摯な方で、だからこそ毎年業績を
右肩上がりで伸ばしているのかな、と感じる。

様々なベンチャー企業では、成功する方法は異なっても、
問題が起きるときの抽象的な要素は似ている。
これは業種・業界を問わないだろう。

トレジャーファクトリーの場合、
8店舗程度の規模の時に、さらに年6店舗増やそうとした。
ここで成長期における問題が出た。

新規出店店舗がうまくいかないことは織り込み済みだったものの、
既存店舗のほうも売上が落ちて行くという想定外のことが起きたという。
人材が追いつかなかったため、というのが原因だったそうだ。
組織が売上に追いついていないというもの。

そこでこれを解決するために、
システムの見える化、エリアマネージャー制度導入によるノウハウ蓄積、
任せることの徹底を行っていった。
結果、業績は回復した。

この問題は抽象的にみると、
どこの組織にも出てくる成長していく上での問題だ。
そして、その解決法も抽象的にはどこでも通用する方法であろう。


【業務の指標測定】
従来、翌月20日あたりに店舗の売上、粗利を伝えていた。
また店舗間でその情報を共有していたわけではなかった。
それを、700万円のシステムにより、
リアルタイムで全数値をオープンできるようにし、
かつ、他店舗のものも見えるようにした。

結果、即座に結果がわかるようになって、
フィードバックがかかりやすくなる。
また、他店舗とも比較可能になったため、
雨だから売上が伸びなかった、と思っていたことが、
そうではなく努力で伸びる部分だ、ということがわかったりした。


【組織構成の変更:適切な人数の部下】
営業部長一人で14店舗を持つのは限界があった。
結果、店舗間でのノウハウが共有されなかった。
そのため、エリアマネージャーを置き、それぞれが
5店舗ずつ持つようにして、ノウハウ共有がはかられるようになった。


【権限委譲】
店舗運営を任せられる環境を作り、
徹底的に任せていくことで、
店長自身が考え、よりよくなっていく。



野坂社長自身が気をつけていることの一つとしてあげていたこと。
それは、「自分が源泉」という思い。
つまり、全ての責任は自分にあるという思い。

例えば、部下が何かのミスをした。
それは、その部下をきちんと指導出来ていなかった自分が悪い。
あるいは、その部下の上司をきちんと指導できていなかった自分が悪い、
そのように考える。

だから、感情で怒ることはなく、全て自分に責任・原因があると考えられる。
7つの習慣で言うところの、主体性である。
これを社長がしっかり意識し、実行出来ているからこそ、
上記3つの方法によって、解決したのだろう。

自分が源泉と考える主体性をきちんと身に付け、
適切な組織構成に変更し、適切に権限を委譲し、
適切な業務指標を測定できるようにする。
これらが、成長する企業における、組織上の問題を解決する
一つの方法であろう。