関裕二『邪馬台国とヤマト建国の謎』(PHP) | 再開  オネオネ日記

再開  オネオネ日記

ぐるっと一周回って、元に戻っての再会です。タイトルも変更しました。いろんなことがあって、中断していました。やっと落ち着いたのでまたはじめようとしています。

前著の『古代日本神話の考古学』の続きのような新刊です。

考古学が日本古代史を明らかにしていたとして、考古学的事実に基づいて仮説を立てたものです。

前著で、一番わかりにくかった、なぜ神功皇后、応神がヤマトの裏切りにより南九州に逃げたのかということがもうひとつわからなかったのですが、今回の本でそこの推理は幾分かは分かりましたが、なぜ隼人であり、阿曇氏なのかというのがもう一つ腑に落ちないのです。

全国ネットの神話にすることが2世紀半から3世紀にかけて可能だったのだろうかという疑問です。

(逃げるなら対馬か南九州と著者は述べていますが、普通は自分の出自である日本海側のどこかではないでしょうか)

ともかくもう一つの特徴は、巻末において、一種の文明論に行き着いていることで、それは天皇制が制服王朝ではなく、一番弱い王を立てて成立したということだとしています。ときおり強い独裁的な天皇が出てきますが、ほとんどは実力豪族の傀儡であったというのです。これは世界中を見渡しても、類のないシステムだとしています。

 

この二つがとくに関心をよびました。

 

残るのは伝説の女傑、息長足姫(神功の正体でしょうか?なぜ女傑なの?ということです。

そして攻めた邪馬台国も女王卑弥呼だったのです。

 

この仮説は、もう一大ドラマになっていますね。時代小説か、映画一本できそうです。

今時だから、小説というよりも正月特番の時代劇でもいいかもしれませんね。(笑)