日本画(S0)180×180 

 (岩絵具、墨、雲肌麻紙、胡粉、金箔)




 “絵は、祈り”



絵を描きながら

無意識に祈っている気がする

今日このごろ。




この絵は、

以前に日本画材を譲ってくださったkakoさんと

愛犬ソフィーちゃんの散歩道を

描いたものです。




いただいたエコ岩絵具の一部。他に金箔や銀箔も。


絵具や箔が形を変えて

一枚の絵に生まれ変わるのは

やっぱり面白いです。




まずはデッサン。



初めての犬のデッサンは

毎度のことながら大苦戦。

でも、この絵を完成させたい想いが

苦手意識よりも勝っていました。




トレーシングペーパーに写し

和紙に転写、墨で骨描きし、色を塗り開始です。




ここから徐々に重ねていきます。




散歩道の奥には山。

kakoさんの懐かしい記憶を呼び起こす

そんな景色が見えるらしい。

そういう場所があるなんて

なんだか素敵だなぁ、と思うのです。




足元の朝顔。

一旦、描き始めたものの

予定変更で金箔を貼ったので隠れてしまいました。




直書きで復活。



欲しい色がなくて

いろいろ重ねたり、描き直したり。




納得いくまで描き続けたので

おかげで欲しかった色になりました。

ざらざらの感じも好きです。




ソフィーちゃんのほうは

毛を何度も、消したり描いたりして

違うお顔にならないように、と

それが気がかりでした。




毛はかなり細かく描けました。

一つ前進できたかもしれません。




とはいえ、

自宅で客観的に眺めていると

いろいろなところが気になります。

朝晩、いつでも直せるように

岩絵具は出したままにしました。




絵の右端に花が集中したので

先生のアドバイスで

左側にもなにか少しだけ入れることになり、

ハナミズキを描くことにしました。



それはkakoさんにも繋がるものでもあり

ちょうど、これを描いている時は

ハナミズキの咲く時期でした。



また、偶然知ったのが

先代犬のチェリーちゃん。

こっそり、かくれんぼで描いてみました。




草むらで、おしりと尻尾だけ。

たぶん、言わないと誰も気づかない。笑

でも、それでよいのです。

あえて、わからないくらいに、とどめました。




天然のトルコ石や緑青など

よく見ると絵がキラッと光ります。

岩絵具の厚みも出て、見ていると楽しいです。




そして、

1月から描き始めた絵は5月に完成しました。



絵が完成する前、

ソフィーちゃんは旅に出ましたが

この絵を描かせてくれた

kakoさんとソフィーちゃんに

心からありがとうの気持ちでいっぱいです。




あたりまえのように思えるいつもの時間は

かけがえのない時間なのだ、と

kakoさんとソフィーちゃんのお散歩が

わたしにそう教えてくれた気がします。




絵を楽しみに待っていてくださったkakoさん。

お膝の上で大切に開けてくださって

すぐに飾ってくださったそう。

本当に本当に、ありがとうございました。