このヒトがこの世にもういないなんて・・・
「偉くない「私」が一番自由」 米原万里著
内容(「BOOK」データベースより)
ロシア語会議通訳、作家・エッセイストとして活躍した
米原万里の作品を、盟友・佐藤優がよりぬいた傑作選。
メインディッシュは、初公開の東京外語大卒業論文、
詩人ネクラーソフの生涯。ロシア、食、言葉をめぐる名
エッセイ、単行本未収録作品などをロシア料理のフル
コースに見立て、佐藤シェフの解説付きで紹介する。
生い立ちも、ロシア育ちというユニークな経歴があり
ロシア語通訳という特殊な?仕事をしながら、日本という
国を俯瞰したり、内部から見たり。
そのエッセイはとてもピリッと辛いユーモアにあふれて
面白い。
ワタシ達にとってナゾの国ロシアを、内部から紹介
してくれたのも彼女が市井の人間としては初めてなん
じゃないかと思う。
この本の編集も、日本のラスプーチンこと佐藤優。
胡散臭い印象だったが、米原女史に助言してもらって
いたとは!想像すると何だか笑ってしまう。
本書の目玉は、米原女史の卒論!なのだが、はっきり
言ってあんまり面白くない。
ロシアの知りもしない詩人についてなので興味もわか
ないのだが、ただ誤字が多かったり、提出期限に遅れた
ことをお詫びするくだりなどは、故人の人柄がしのばれ
クスクス笑ってしまう。
きっと、大学生だった女史、言葉がほとばしるまま
どんどん書き進んじゃって
誤字なんて気にする暇もなかったのだろうな~
生きていたら、今の日本をどう思うだろう?
生きていたら、どんなに皮肉たっぷりだけど痛快な
エッセイを書いただろう?
そう思うとこのヒトの死が大変惜しまれてならない。
普通に夏を迎えられたことに感謝!だねっ