ただ今、ドラマの真っ最中。
「わたしを離さないで」
カズオ・イシグロ著
内容(「BOOK」データベースより)
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の
世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友
トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での
奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた
授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの
ぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な
真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー
賞作家の新たなる代表作。
めったに再読するという作業はしないのだけど、
この作品は真実が明らかになって、もう一度読み返したいと
思っていた上に、このたびドラマ化になって、細部を
確認したくなったので。
ドラマは、もっとこの世界の話を膨らませ、当然出てきた
であろうレジスタンスの活動とか、逃亡とか?
(小説にはそこまで描かれていない)
まで描いているので興味をひかれる。
そして、もっと登場人物たちが原作より感情が深い。
そこが小説と違うので、ミワ(ルース)に付き合う
キョウコ(キャス)の気持ちがとっても不可解に
思えてしまう。
小説では、無常感とか無力感がかなり濃く、もっと
諦めの感情がハンパない。
だから、ミワのウソやわがままですら、はかない希望に見え
寄り添いたくなる気持に共感が持てるのだ。
再読では、改めてこの作品の絶望感と合わせて、3人の
三角関係以上に強い絆なんかを思い、この世界を
構築して見せた作者を凄いと思ったのだった。
ドラマは視聴率悪い(ジミだしね~)けど、これからは
原作にないタツコ先生(ルーシー)の暗躍?がありそう。
ミステリー色を出そうとしてるのかな。
そのあたりに期待して見ようと思う。
三浦春馬はトモ(トミー)をとっても上手に演じてると思う。