いままでの今年ドラマで、自分の中では上位に
入っている。原作ははたして?
「天皇の料理番 上下」 杉森久英著
内容(「BOOK」データベースより)
小さいときから強情でいたずらっこだった篤蔵は、
福井の大庄屋の次男坊。
高等小学校の時、ひょんなことから鯖江連隊の
田辺軍曹からご馳走になった“カツレツ”の味に仰天。
彼の運命が大きく変わることに―。
その後、家出同然に東京へ行き、西洋料理の世界に
裸一貫で飛び込んでいく。明治生まれの若者が、
日露戦争以降の東京で、激動の時代と共に、力強く
成長していく立身出世の物語。
内容(「BOOK」データベースより)
好奇心旺盛な篤蔵は、寸暇を惜しみ熱心に修業を
続け、華族会館、そして上野の精養軒で働くことになる。
フランス語も習得し、ついに西洋料理の本場、パリへ。
各国の王室貴族などが集まる一流ホテルで下働きとして
スタートした彼は、人種や言葉の壁、文化の違いを乗り
越えて、一人前の料理人として認められていく―。
大正と昭和の時代、宮内省主厨長まで登りつめた男の
生き様を描く感動長編。
こうして原作を読んでみると、ひとつひとつのエピソード
などは、同じものを使っているけど、周りの人間関係や
役職、その場面の時代などがかなり違っていて、少々
面食らう。
違う物語と思っていいな~。
原作では敏子は、2番目だか3番目だかの奥さんだし
小町と呼ばれた美女だし(黒木華さんスイマセン)
新太郎さん居候なんてしてないし。しかもフランソワーズは・・
宇佐美さん、家族会館のあとは出てこないし(笑)
どっちが本当だろう?(原作も秋山徳蔵ではなく秋沢篤蔵で
あくまでも伝記小説となっている)と、言うのは野暮。
NHKの大河ドラマも、史実の中に架空の人を入れたり
実際は会ったかどうかわからない同時代の歴史上の
人物を会わせたり。
そうでないと結末はみんなが知っているだけに面白味に
欠けてしまう。
先日の「古今をちこち」で磯田道史氏もそんなようなことを
書いていた。
どちらにも創作部分があるので、実話としてではなく
まんま楽しんだ方が、痛快な男の話として面白いって
事ね。
なので小説もドラマ同様、間違いなく面白い。
あまり細かいことはすっ飛ばして、ピンポイントに
エピソードを入れ、時々、世相や時代背景も紹介して
いるのでわかりやすい。
激動の時代を、料理一筋に生きた篤蔵。
まわりが見えなくなるほど、のめり込める人って
強いなと思った。
そして
少なくとも原作の篤蔵は、タケルちゃんじゃないなとも
ハゲてるし(笑) ←そこ?
ドラマにも出てくる大膳頭・福羽博士は、イチゴなどの品種改良で