楽しみにしていた、初めての作家さん。
「わたしを離さないで」 カズオ・イシグロ著
内容(「BOOK」データベースより)
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる
人々の世話をしている。
生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも
提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いを
めぐらす。
図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と
呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想は
ヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の
魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。
何だか違和感のある不思議な世界。
ただの寄宿生の日常にしては変なのだ。
それは順々にわかってくると、オソロシイ近未来が。
始めはジブンのなかでどう分類していいのか
わからないストーリー。しだいに見えてくれば
どんな世界にも共通の青春群像や愛の物語。
ちょっとテイストが、伊藤計劃っぽい。
流れている無情感とか。主人公たちがかかえる
絶望とか。
これはすごい。
SFとしても十分鑑賞できるし(変わりモノっぷりが
ハンパない)、普通に人間の想いの物語として
感動できるものだと思った。
カズオ・イシグロさんは5歳まで日本で育ち、イギリスへ
行った人。
国籍はイギリスだからか、この本は翻訳モノ。
面白い経歴だ。日本語で小説は書かないのかな~
などと思いつつ、久しぶりに森博嗣を読んでたら、
登場人物たちが、カズオ・イシグロの代表作、
「日の名残り」の映画版を見るシーンが。
なかなか良い作品みたい。森さん自身の感想でも
あるのかな?
それなら見てみたい。「わたしを離さないで」も
映画があるので、こちらを先に観ようかな?
とってもいい出会いをしたので、恐る恐るだけど
小説の他の作品にも手を伸ばしてみようと思う。