今年はツイてる!
またしても大当たりの本が。
「波の音が消えるまで 上下」
読んでしまった・・・あ~もったいない(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
老人が遺した一冊のノート。たった一行だけ書かれた、
「波の音が消えるまで」という言葉。1997年6月30日。
香港返還の前日に偶然立ち寄ったマカオで、28歳の
伊津航平は博打の熱に浮かされる。まるで「運命」に
抗うかのように、偶然が支配するバカラに必然を
見出そうともがく航平。謎の老人との出会いが、彼を
さらなる深みへと誘っていき…。
緑の海のようなバカラ台には、人生の極北があった。
生きることの最も純粋な形を求めて、その海に男は溺れる。
深夜特急で、マカオのギャンブルにはまった著者。
読んだ人たちは、この作品にあの熱狂を求めちゃったり
するのかな。・・ワタシも(笑)
主人公・航平の軌跡がまた面白い。
ビッグウェーヴに挑むサーファーだったかと思うと、
カメラマンのアシスタントから、本当のカメラマンに。
すっぱりやめてまたサーファーに。
そしてギャンブラー。
ホントにエンターテインメントだったのね。
マフィアも出てきて、冒険活劇とも言えそうだし。
沢木さん、ノンフィクションばっかりだったから、初めて
じゃないかな、こうゆう作品。
でも、メチャクチャ面白かった。
これは、麻雀放浪記だ。
ただ、この男はジブンが誠実であろうとしているところが
始末が悪い。
だいたいギャンブラーは、不実であることに確信犯だ。
だから航平クンはダメなのである。優しすぎてウソ
くさい。沢木さんの作品の主人公っていつもそうだ。
でも女もバカなのでダメと知りつつこんな男に惚れて
しまうわけね(笑)
もうひとつ、航平の父の死の真相はいらないと思う。
出来過ぎで、物語が安く見えちゃう。
それ以外は、バカラのシーン、サーフィンのエピソード
撮影現場の空気。スリリングでとってもおもしろい。
そしてバカラの必勝法。
それが知りたくて多くの読者はこの長い旅に付き
合ってきたのだと思う。
ココからは、ネタバレっぽいので、反転します。
いわゆる、ゾーンってヤツ?スポーツ選手が経験するって
いう・・
すっごい昔、麻雀やってる時に、次の配牌が全部わかる
な~んて時があって、ジブンでも気持ち悪くなった。
あれから一回もそんなこと起きないけど、ずーっと
打ってて、異様な集中だけど緊張はしてない状態に
急に陥るカンジ。
バカラの波ってのも確かにあるのかも。人間の思考の外、
無意識の脳みそのふだん使ってない領域?
そこだけがキャッチできるとか。
それが果たして必勝法と納得できるのかってのは
疑問。
航平は、バカラを本当に止められるのだろうか。
いや、バカラじゃなくても、何かを追いかけて、やっぱり
また旅立ってしまうのではないだろうか。
マカオと言えば、ボクシングの試合でも有名。沢木さんが今回