チャンドラー、4冊目。
「The Little Sister」
レイモンド・チャンドラー著 村上春樹訳
これ、なんだか読みづらかったなぁ~
話の構成が複雑?で比喩や暗喩が相変わらず
多いため、良くわからない点が多く、でも説明抜きで
どんどん進んじゃう・・・
ワタシがおバカなの?(笑)みたいな。
今までも、マーロウのわけのわかんないおちゃらけは
あったけど、それなりに雰囲気や彼のダンディズムを
楽しんだり、味わい深いトコロもあって読んでこれた。
今回はなんでかな?
まずその、カワイイ女であるはずの依頼人が
とびきり”やな女”で、全然感情移入ができなかった
と、いうのがあるかなぁ。
チャンドラー自身もこの作品嫌いみたい(笑)
他の登場人物も、確かにあんまり好人物には
書いてない気がするよ。
じゃあなんで、村上春樹氏はこの作品を翻訳したかったのか。
それもまた、このケチでウソつきでずるがしこい
リトルシスターが原因だそうだ。
これまでの作品にないリアルな女性像って事かな。
そうね~これまで出てくる女性はみんな美人で
スタイル良くてか弱くてちょっとずるくて・・・
男性の求める女の人のひな型みたいな感じ??
翻訳をする人には、彼女と駆け引きするマーロウの
会話はとっても面白いのかもしれない。
そして、村上氏が言うようにこの作品があったから
「ロンググッドバイ」みたいな名作があるのかもしれないね。
疲れてるけど、タフでガッツのあるマーロウが育ってゆく
プロセス。
今まで読んできた作品の年代別では
「大いなる眠り」(1939)
「さよなら、愛しい人」(1940)
「The Little Sister」(1949)
「ロング・グッドバイ」(1953)
なるほど~ ワタシゃー、最初にロング・グッドバイ
読んじゃったからなぁ。
しかし、1作目(この間読んだけど)書かれてから
もう80年近く・・・
それほど古びて感じないのは、新訳のおかげだな。