答えはすぐそこに | 三龍建築士

三龍建築士

BOX・ドラマ・映画・・・ときどき読書(笑)の日々に変更~

翻訳モノで初めて読む作家さんの時は、ワクワク。


読み続けられる楽しみな人が増えるのはうれしい。


「火曜日の手紙」

       エレーヌ・グレミヨン著



母を亡くしたばかりの女性作家、カミーユの元に、

謎の男から分厚い手紙が届くようになる。


母にゆかりの人物ではないかと考えるが・・・。


手紙の内容はまるで連載小説のよう。

普通の少女が、大金持ちの奥様に気に入られ

その絵の才能ゆえにパトロンになってもらう。


しかし、そのうち少女は奥様の為に身を挺して

その望みをかなえる為の決心をする。


ここまでは凄くスリリングで、どうなるかと思うが

結果的にはわりとありがちな話。


けれども、ところどころに仕掛けが施してあり、

後になってそれがとっても効果的な、残酷な結果を

引き出す。


また、書いている男は誰なのか、なぜカミーユなのか?

というのも前半の大きな謎になっている。


ただ、後半に解決編を急いで詰め込みすぎているなぁ。

もっと読者を焦らしてもいいのに、一気に教えてくれ

ちゃって。


カミーユ自身の境遇も絡めて、もっとふくらましたら

こっちがへとへとになっちゃうような、ぶっとい話に

なったと思う。


最後の仕掛けはスバラシイ!青い鳥はいつも近くに

いるのね~青い鳥


途中、ルースレンデルの「ロウフィールド館の惨劇」を

思い出すようなくだりがある。

レンデルも長く読んでいた作家さんの一人だ。


グレミヨンの次の作品も楽しみ~








時代背景もとても詳しく、小さいおうちみたいに巧みに物語に

組み込んである。