こーゆうのが読みたいとか、書きたいとか
思ってもかなわないことがほとんどなんだけど。
「袋小路の男」 絲山秋子著
解説にもあったけど、たいていの人生って
そんなに劇的でも大きな出来事も起んないで
坦々と過ぎて行っちゃうものだ。
だからこの3個の短編も、一見普通の人々の話。
前2編は、同じ男女のそれぞれの視点で見た
お互いの関係。
男女の関係って、何だかわかんない関係が
結構あるんじゃないかと思う。
なのにすぐ付き合っちゃって、すぐ別れちゃって、
すぐ次が始まって・・・なんて身もフタも風情もない
話ばっかりであきあき。
この作品は、あ~やられたな~って感じだ。
お互いのちょっとの誤解とか、遠慮とか、それぞれの
スタンスとか。まったく先の見えない平行線。
なのにお互いがかけがえのない存在と思ってる。
確かめ合えないもどかしさ。あるある。
腐れ縁だね~
でもとっても機微があっていいじゃない?
こんなのが書けるなんて素敵だ。あこがれてしまう
最後の「アーリオ オーリオ」は全く違う作品だけど
まだ何者でもなく、何者にでもなれそうな年頃の
少女と、なかばどこにも行きつくことがなくなったか
に見える叔父との本当に短く貴重な接点を描く。
少女のまっすぐな心が、叔父の止まっていた時間を
動かし始める。3光日の速さで。素晴らしい表現!
あぁ、そしてこんな話を読むと、宇宙の事、時間の事
難しいのは重々わかったうえで、もすこし知りたい
なんて向う見ずにも思ってしまう。
ワタシもニュートン借りてこようかな!・・・脱線。
また絲山さんも読まないとね。