ワタシは行き止まりの女(笑) | 三龍建築士

三龍建築士

BOX・ドラマ・映画・・・ときどき読書(笑)の日々に変更~

こーゆうのが読みたいとか、書きたいとか

思ってもかなわないことがほとんどなんだけど。


「袋小路の男」  絲山秋子著





解説にもあったけど、たいていの人生って

そんなに劇的でも大きな出来事も起んないで

坦々と過ぎて行っちゃうものだ。


だからこの3個の短編も、一見普通の人々の話。


前2編は、同じ男女のそれぞれの視点で見た

お互いの関係。


男女の関係って、何だかわかんない関係が

結構あるんじゃないかと思う。


なのにすぐ付き合っちゃって、すぐ別れちゃって、

すぐ次が始まって・・・なんて身もフタも風情もない

話ばっかりであきあき。


この作品は、あ~やられたな~って感じだ。

お互いのちょっとの誤解とか、遠慮とか、それぞれの

スタンスとか。まったく先の見えない平行線。


なのにお互いがかけがえのない存在と思ってる。

確かめ合えないもどかしさ。あるある。

腐れ縁だね~汗


でもとっても機微があっていいじゃない?

こんなのが書けるなんて素敵だ。あこがれてしまうキラキラ



最後の「アーリオ オーリオ」は全く違う作品だけど

まだ何者でもなく、何者にでもなれそうな年頃の

少女と、なかばどこにも行きつくことがなくなったか

に見える叔父との本当に短く貴重な接点を描く。


少女のまっすぐな心が、叔父の止まっていた時間を

動かし始める。3光日の速さで。素晴らしい表現!


あぁ、そしてこんな話を読むと、宇宙の事、時間の事

難しいのは重々わかったうえで、もすこし知りたい

なんて向う見ずにも思ってしまう。


ワタシもニュートン借りてこようかな!・・・脱線。


また絲山さんも読まないとね。




行き止まりっつーか、行き当たりばったりっつーか(笑)