「百年の孤独」を彷彿とさせて~なぁんて聞くと
ほんじゃあ!って読みたくなる。
「精霊たちの家」 イサベル・アジェンデ著
チリのクーデターに絡めて、3代にわたる一家の
物語。
超能力者(?)のクラーラとその夫エステーバン
を中心に起こった出来事をつづる、一大叙事詩だ。
ラテンアメリカって、聞き語りぽくツルツル進んでゆく
書き方が主なのかな。
こっちもあまり深く考えることなく、出来事をどんどん
読み進んで行けちゃう。
ただ、この土地独特の幻想的で土俗的で魔術的な
側面が、百年の孤独ほどには描けていなかったのが
残念。
クラーラの能力が、手を使わず椅子を動かすとか
大小の出来事を予言するとか。一辺倒に語られる
だけでその表現には不満が残った。
マルケスは、もっと空気感とか色彩・感触・匂いまでも
描写して、魔術の中に読者を引き込んでいくような
魅力があったと思うのだ。
最後のクーデターの場面は圧巻。この部分だけが
他の部分と比べるとちょっと突出している。
読み終わったらヘトヘト(笑)
当分、読むのは2段組みじゃなくてもいい気がする