少しだけ、死ぬ。(/_;)/~~ | 三龍建築士

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BOX・ドラマ・映画・・・ときどき読書(笑)の日々に変更~

ワルツを踊ってるみたいに、NHKドラマと本を

クルクル入れ替えながら見たり、読んだり。

幸せな時間。


「The Long Goodbye」 

     レイモンド・チャンドラー著

              村上春樹訳




ドラマの最終回を前に、至福のまま終わった。

・・・わ~、こうやって終わるのか!


しばらくはショックに痺れたまま。予想はしていた

ものの、なんてイキな終わり方。


やるね、チャンドラー(笑)


タフだけど、時に饒舌すぎる男フィリップ・マーロゥ

しかし決して自分の思いを明かさない。


わかりにくい男。やせ我慢の美学

こんな何を考えてるかわかんないヤツ、願い下げ。


愛人にするなら、間違いなくテリーだ(笑)テリー・ファンク


中年女はもう、しちめんどくさい事はたくさんなのだ むっ

だから、わかりやすい若い男に魅かれるのかな?

逆に若い時は、マーロウハードボイルドみたいな男がミステリアス

に見えて魅力的なのかもね。


・・・あ、男もおんなじか(笑)女


トコロで今回、清水氏翻訳版を先に読むべきかだいぶ

悩んだが、結局我慢できずに村上版で。


フィッツジェラルドやサリンジャーの翻訳は、村上氏が

原作かと思うようなそっくり文体だが、チャンドラーは

まったく村上臭(笑)は無し!見事に。


途中からは意識することなく(時に忘れて)しっかり

原作を楽しめた。


読んでいても古びた感じや違和感は全くなく、それでいて

アメリカのその時代感覚も、マーロウとバーニー刑事や

ハウスボーイのキャンディーとのやり取りなんかから

読み取れる。


そんな新訳の秘密はというと、物語終わって・・

ぶっ飛び!


50ページにも及ぶ、村上氏の訳者あとがきに

しっかり解説してある。

これは得した気分。ぜーんぜん気づかなんだ。

まだ小説の続きがあるのかと思ってた(笑)


そこには、チャンドラーの生い立ちや、その文章の

成り立ちについての考察。

もちろん翻訳する上での工夫や苦心なども丁寧に

書かれていた。


昔は訳注とか嫌になるぐらい入っていたものだけど、

現代では英米文化も浸透してきたし各国の諸事情も

特別説明しなくても大方の人が知ってる。


だから村上氏の言う、半世紀を経た翻訳本は、

リニューアルすべし!は、当たってると思う。


他に村上氏自身がチャンドラーに影響を受けた事、

またチャンドラーがフィッツジェラルドをリスペクトして

たんじゃないかという想像も村上氏らしくて面白い。


確かに、指摘されたロンググッドバイとギャッツビー

の相似性は、アリかもと思わせる。


めったにない、2度おいしいってヤツ。


読み終わっちゃったなんて、それこそココロが

少しだけ死んだ気がする。








日本版、ドラマのロンググッドバイは原作通りに終わらすのかな?

綾野剛ちゃんの印象強すぎて(笑) うつくし~