残酷な抽象画 | 三龍建築士

三龍建築士

BOX・ドラマ・映画・・・ときどき読書(笑)の日々に変更~

皆川女史、幻想小説集。


「影を買う店」 皆川博子著



表題作は「虚無への供物」のオマージュ作品。

ココから前半の作品はわりとすきなタイプ。

「猫座流星群」「迷路」「釘屋敷」

ゾクゾクするね~。


「柘榴」は、主人公の妄想が炸裂する。

京極の「魍魎の匣」チックなオハナシ。


そこから先は、どんどん作者に置いてかれるカンジ。

ぶっ飛んでくる。


後半で好きなのは、「更紗眼鏡」

モノクロの映画にしたら、とっても怖そうで切ない

映画になりそう。残酷な抽象画を見てるみたい。


ミステリーは抜群に面白い女史だけど、幻想小説は

もしかすると女史が一番やりたいジャンルなのかな。


なんだかのびのびと書いてるような気がするんだよね。


ぶっ飛びすぎてついていけないところもあるけど

波長が合うと、もっと読みたくて飢餓感に襲われそうな

そんな物語たちだ。






昭和のモノトーンな風景ってどことなく怖いところがあるね。ショック