「悼む人」天童荒太著
内容(「BOOK」データベースより)
不慮の死を遂げた人々を“悼む”ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。
…とまあ、こんな内容だったが、実際読もうと思ったらなかなか手が出ず、この帰省のおりにと、やっと手に取った。
天童作品は、永遠の仔を読んだ時に少なからずショックを受けてしばらく立ち直れなかったので。
今回は覚悟して読み始めたが、そこまでの事は無かった。
死んだ事を受け入れるより、死んだひとの事を覚えておくという、作業に変えてしまう。覚えておくのは確かに自分にとっても大事だと思う。
でも、死んだ人とのスタンスが静人と自分が似ていると感じて、やっぱちょと違うのじゃないかと。
日頃身近な人の死を悲しんでいない自分を感じていて、がしかしその事について苦しんでいるわけでもなく、ただただ不思議に思っていた。←鈍感?
静人のように向き合うのが怖くて、知らず心をシャットダウンしていたと考えるのが自然かも、とちょっと腑に落ちた。
静人も見ず知らずの人を悼んで歩くことはあっても死と対峙することはなかった。
倖世と出会う事で、さらに本当の死に直面することで実感して受け入れられたのはとても幸福だったと思う。
ワタシにもそんな瞬間が来るのだろうか。
今日、別れてきた母はもう88歳の高齢。帰りにはあまり目を合わせず何と無く出てきたけど、
次、会うまで元気でいろよ、母❗️
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と、なんだか一生懸命思ってしまった
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天童効果?(笑)