なんだか今日のブログタイトル、変なジャンルに
聞こえそう(笑)
「影法師」 百田尚樹著
時代物はあんまり読まないのだけど(歴史が苦手で)
宮部みゆきや京極夏彦読んでから、面白いのも
あるんだと気づいてから手を出し始めた。
特に、宮部みゆきの「弧宿の人」はほんとーに!感動。
こちらでなんですが、おすすめ!・・・ととと脱線。
「影法師」は幼い頃、下士の父が上士に手打ちに
合い、その縁で知り合った友との友情の物語。
主人公・勘一は父に代わって家を立て直そうと
藩校に通い、デキる友人で中士の出の彦四郎と共に
切磋琢磨する。
勘一には大望があり、彦四郎はこれに感銘を受け
応援するのだ。
龍馬伝でも出てきたが、一口に武士と言っても
上士・中士・下士の間には歴然たる垣根があり、
それを越えることは難しい。
この作品では、さらにその生まれとして嫡男か
そうでないかの違いがどんなに大きいかという事が
わかる。
上に行くには剣術の腕前も当然大事だ。
腕を磨く勘一は、ふと知り合った僧から、必殺剣の
手ほどきを受ける。
これがまた凄みがある。読んだだけではイマイチ
想像もつかないが、同じ相手には1度しか使えない
というのがまた信じれん。どれだけの技かと。
彦四郎と勘一どちらの腕が上か?それも気になる
所だ。立ち合いの練習場面では息づまるような
殺気が感じられる。
一見もしかしたら、勘一の方が強いのではと思わせる
展開だが、彦四郎は実は爪を見せない鷹だった。
その凄さは背筋が凍るほどなのだが・・
しかし物語は、出世した勘一の回想で始まることから、
題名と重ね合わせなんとなく想像させられる。
泣いた赤鬼を連想する悲しさ。
←たとえがチョー変だが
これは本当に泣かされる
だが真相は本当にそうだろうか?
何か見落としていないか?
それは、最近には珍しい袋とじ部分に隠されている。
(壇蜜は出できまへんで)
そりゃーそうだろー!
という結末。
単行本には収録されなかった部分。
これこそがもう一つの、いやもしかしたら唯一の
真実ではないかとワタシは思う。