おいらギャングだど | 三龍建築士

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BOX・ドラマ・映画・・・ときどき読書(笑)の日々に変更~

去年出ていた、デニス・ルヘインのクライムノベル。


「夜に生きる」 デニス・ルヘイン著




「ミスティックリバー」や「シャッターアイランド」

鮮やかなひっくり返しフォルァ!!(ちゃぶ台)のミステリー、ヒットした映画で

とっても有名。


この2作品はワタシも大好きだけど、「運命の日」に

始まるこの歴史もの3部作は、全く違った意味で

読ませる作品だ。



「夜に生きる」は「運命の日」の主人公、ダニーの

弟・ジョーが主役。歴史もの2作目という位置づけ。


舞台は禁酒法時代のフロリダ州タンパから、キューバ

へと進んでゆく。


どう見てもギャングだけど自らを無法者と言い人殺しが

嫌いなジョー。違うんかい!(笑)


運命に流され、まっとうな人生には進めない。


けれど酒の密造で大儲け、麻薬には手を出さず、

あくまで人々を苦しませない方法で稼いだ金で


貧しいマイノリティ達を救うために尽力する。

汚い金を善いことに使って自分を浄化しようとする

のだ。

やり方は違うが、前作の兄・ダニーと見つめる方向は

一緒だ。


父との確執は実は隠れた依存であったことも、

形見である時計をお守りにしていることで自明だ。

お守りは、その願いに答えるように何度も彼を救う。

泣かせる部分だ。


アメリカの暗黒時代を、丁寧にガイドされている気分。

暗い面、残酷な面も満載だが、警察や政治家達を

懐柔しながら巨万の富を得ていく部分は痛快。


ただし、ちょっとの油断や情けでも即報復や裏切りの

憂き目を生む。大変キビシイ世界。


ポケミス2段組み470Pと長編だけど、最後まで息も

つけない面白さ。


最後の方で、変わった形でダニーの名前との再会は

思わずおおっと声が出てしまった。素晴らしい展開。



はたしてジョーの人生は幸せだったのだろうか?

そこは考えさせられるところだ。





「アルゴ」のベン・アフレックが映画化予定ちう。

時代物だから、お金かかるだろうな~。


・・・あ、いらん心配だわ(笑) でも見たいべぇーっ

それより3作目はいったいいつ出るかな~顔文字





人間、手に入らない時の渇望ってすごいものがあるね9もうだめ