この年の瀬に来て、森博嗣作品が2つ読めそう。
まずひとつ!
「キウイγは時計仕掛け」森博嗣著
懐かしい面々が、一同に会す。
しっかし、時計仕掛けのキウイって(笑)
アンソニー・バージェスか!
ミステリー部分、極限までそぎ落としちゃって、
必要なのは、ますます動機ではなく機会と可能性。
そのうちに、ミステリーじゃなくなっちゃうね(笑)
途中、抽象的な思考についての話がさらっと入って
おり、ご愛嬌
そして。
相変わらずの海月クンの不思議ちゃんぶりには
本当に惹かれます、加部谷ならずとも。
そして時代は繰り返す。
あの頃の紅子や保呂草が、犀川や西之園が、
海月クンや加部谷に全部ダブって。
長い年月をかけてここまで読んできたので
身内の行く末を見るかのよう。
さわやかな青春小説にも思えてくる。
しかしそれぞれが、自分の選んだ道を歩いている
ようにみえて、またしてもあの天才の出してきた
ナゾナゾに翻弄されているだけだったりして。
キウイもγもそのまんま置き去りにされて、
読者もまた次の作品を待つだけなのである。
学会が舞台とあって、今回は大変アカデミックな物語。