出世の王道 | 三龍建築士

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BOX・ドラマ・映画・・・ときどき読書(笑)の日々に変更~

立身出世物語のお手本みたいな・・


「海賊とよばれた男 上下」 

               百田尚樹著



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アポロマーク出光の出光興産店主がモデルってゆうか

そのもの。


主人公・国岡鐵造の丁稚奉公から、日本を代表する

石油会社を作るまでの物語。

まさに立身出世の王道。



話として大変面白く、全く興味がなかった戦後の日本と

石油の取引、さらにそれによっていかに経済が危機に

さらされてきたか、とてもよくわかった。



登場人物も、重要な側近から、一受付嬢にいたるまで

・・たぶん、膨大な資料の収集や人々へのインタヴュー

があったのでは?じつにリアリティがある。



鐵造は、利益ではなく徹頭徹尾、国を愛するが為に

石油業界やアメリカのメジャー・セブンシスターズと

呼ばれる石油会社と渡り合い、日本の石油輸入自由化

のために戦う。


社員をみな家族と考え、首にしない・タイムレコーダーもない

組合も必要ないと、信じられない理想的な経営をしている。

店主・鐵造の魅力と彼への信頼のなせる技。



しかし、あまりに美しい話なので、社史を読んでいるような

気がしちゃう。

それに、海運のような荒っぽい世界でそんなにきれいなままの

商売ができたかどうか・・。


意識的なのか、それとも真実だからなのか、そういった

ダークな部分は皆無。

ちょっとばっかりあったほうが本当っぽい気もするが、

最近の小説は勧善懲悪がなさすぎ!



たまにはこんな風に、きっぱりお-

      

    「この人は立派な人!」


って言いきっちゃうのも必要だ。

そうじゃないと、みんな自分の国に対しての信頼と自信と

愛をなくしちゃうと思うのだ。



気持ちいいくらいの愛国者の話。







0(ゼロ)でおなじみのあのヒトも登場!ここにも石油の落とす影が。
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