ほんとは、幕末あどれさんから読まないとダメだったのだ~
「銀座開化おもかげ草紙」 松井今朝子著
明治初頭モノで面白かったのには、物集高音の「大東京三十五区」
シリーズとか小野不由美の「東京異聞」とかあって。
どちらも、おどろおどろしくて珍しくてはらはら。もちろんフィクション
だけど、同じものを期待したら、「銀座~」は至って現実的で
文明開化の明治時代の銀座。
それでも冒険活劇には違いない。
わけあって、世捨て人となった久保田宗八郎。彼が住み始めた
銀座の長屋は、まさにアゲアゲな人たちの溜まり場。
登場人物も実在の、銀座十字屋にゆかりのある若様や、
女子学院を作る基礎となった原胤昭が軒を連ねる。
若様の叔父さんには、高島易断の高島嘉右衛門までおり
宗八郎を占っちゃったりするし。
十字屋は今は楽器屋だけど、もともとキリスト教の聖書類専門
輸入店として原胤昭と若様こと戸田欽堂が開業した店だ。
原胤昭は最近新聞に出ていた。
北海道の監獄改良に尽力し、日本人初のキリスト教教誨師として、
山田風太郎の明治小説に出てくるそうだ。
「銀座開化~」では血気盛んな(いいのか?)若者で登場。
いろんな事をやった人なのだ。なんとポジティヴ!
かといってポジティヴな人ばかりではなく、ネガティヴな面も
多々あると読売新聞に書いてあった明治初頭の様々な逸話。
エピソードにあった、没落した武家の祖父と孫との非情な運命や、
車夫と結婚し転落してゆく武家の娘の話とか。
時代物でありながら、漫画にしたら意外と良かったりする印象。
テンポも良かったし。
ただし話そのものは、官憲の悪に立ち向かう市民としての宗八郎の
活躍なのだが、ん~なにしろ「幕末あどれさん」がこのシリーズの
最初で、この続きもあるしで、まずいな~面白かったが、始めから
読めたらもっと良かった
今回は残念としか言いようがない。中途半端すぎ・・
うわ~、ださっ
また、仕切りなおしします。