「小さいおうち」で直木賞をとった・・
「女中譚」 中島京子著
まだ女中モノがあると聞いて(笑)、読んでみた。
小さいおうちは、女中タキさんの奥様を慕う忠実な気持ちで、
メロドラマチックに書かれていた。
こちらの主人公、スミさんはちがう!
たくましくて、ずうずうしくて、ちょっとやそっとで、おののかない
強靭な精神の持ち主だ。
主人を主人とも思わないし、時流を呼んでしたたかにその生き方を
さっさと変えてゆく。
その伝法な口調とか、どこかで見たような・・と思ったら
一話目の「ヒモの手紙」は、林芙美子のトリヴュートだったのね。
あるある、ちょこっと読んだことあるし、「放浪記」の舞台も見たこと
あるから。そうそうあの雰囲気。
のこりの2話も、それぞれ吉屋信子、永井荷風のトリヴュート。
登場人物も、ミチコタナカや竹久夢二、永井荷風その人と思しき
作家。
あの時代の怪しい空気満載。
女中さんて、ほんとに面白い職業だ。
外国人の妻とハーフの娘のいる家や変人の作家。大金持ちの社長宅。
人間に興味があって好奇心いっぱいだったら、本が何冊もかけそうな
経験ができただろうな~。(不謹慎?)
いわゆる、家政婦は見たってやつだよね。
そういえば、変人作家と奇妙な真夜中のお茶会の、スミさんの口調は
まるで市原悦子 もちろん、ずっと若いころの、だけど。
「小さいおうち」と比べたら、ワタシはこっちのほうが作り事めいてなくて
良かったな。
まさに「女中譚」。
その元祖・メイドさんが、現代のメイドカフェで働く若い女の子と友達
というのも時代に乗って生きる存在として、絶妙なコラボだったかも。
ナイスです(古っ)
お料理だって、最新のレシピおしえてもらってるもんね。デキル女子たち