小さいおうちってゆうと、どうしても子供の頃に読んだあの本
バージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」を思い起こす。
友達のうちで読んだので、後で見たくても手元になく、ジブンのために
大人になってから買った本(笑)
色々考えさせられるハナシだけど、単純に住むヒトが楽しそうだと
おうちも喜んでいつも幸せそうな明かりが灯っている、
そこが肝心な所だってこと。
建築の仕事を選んだのはこの本のせいもあるかも。
家を引っ張って動かせるってのが画期的に思ったのだ。
トコロで、今回読んだのは、
「小さいおうち」 中島京子著
実在のハナシ風に書いてあるのも、途中話し手が代わるところも
「本格小説」に似ている。
ワタシはこういう話が好きだし、直木賞取ってるし、結構期待して
読んだのだが、先に「本格小説」が出てしまっているので、とっても
残念な気がした。
スケールから行っても、最後のどんでんにしても、全く敵わない。
それでも、本格小説よりも前の戦前の昭和の暮らしぶりは興味深く、
想像するのも楽しく、実際に思ったより豊かだった。
ちょうど久世光彦のドラマみたい。
正月のしつらえや、不意のお客へのもてなし方。ご進物の習慣。
戦時中の女たちの日々。
話し手のタキさんが、自分のことをキャリアウーマンといって、
甥にバカにされちゃうシーンがある。
でも、ハウスキーピングに料理、育児、雇い主の悩み相談まで
立派なスペシャリストだ。ベテランの女中さん達は、ニッポンの
キャリアウーマンのさきがけと言っても差し支えないと思う。
こうした良家で働いた女中さんたちは、その「文化」を田舎に
持ち帰ると言う功績も残していると、解説にあった。
なるほど、確かに。
お母さんになって、子供へのしつけ方が、都会風になったりして。
田舎でのsophisticate・・・面白いね~。
物語はいづれにしても、こんな人たちの話や記録をもう少し
探してみるのも悪くないかもしれない。