高価で買うのをためらってた本が、その中から創作に当たる
ものだけを抜粋・再編集されて出ていた。
「The Indifference Engine」 伊藤計劃著
「伊藤計劃記録」「伊藤計劃記録 第弐位相」 の2冊からの
短篇群だということだ。
じつは、すぐに買ったけど読めずに積んであった。
なにしろ、新作はもう出せないヒトだし、大切に読みたかったから。
最後に収録してある未完の作品を読んでしまうと先がない。
内容は、メタルギアあり007あり、しかも劇画作品もあり、著者の
あふれる才能がぎっしり詰まっていると思う。
どれも期待を裏切らない。
読んでいて驚いたのが、最近読んだもの、感動したものと同じ
テーマが続々と出てきたこと。
皆川博子の解剖学の話、先日の風の中のマリアの意識と本能に
ついて、ドラマ・シャーロックのマイクロフトと情報機関の結びつきとか。
どれもランダムに見たものなのに、少なくとも2年以上は前に書いた
物の中にあるなんて、先見の明と言うか(ただの偶然か、私の思い込み
かも知れないけど)、今生きてたらどんなものを書いていたのだろうと
今更ながらもったいなく思う。
(それとも、どこかに共通のソースみたいなものがあるのかしらん?)
・・てなわけで、最後の収録作品「屍者の帝国」(未完)まで読み終え、
準備は整った。
それでは「屍者の帝国」 伊藤計劃×円城塔共著に
取り掛かることにしよう。