先月、BS放送を見ていたら、懐かしい顔が映ってた。
バルセロナはサグラダファミリアで働く日本人、外尾悦郎氏だ。
もう、20数年ほど昔、ちくま少年図書館の社会の本(!)で彼の
エッセイを読んだ事があった。
「バルセロナ石彫り修行」
その頃は、アントニオ・ガウディーの建築物に夢中で、カサ・ミラ
の写真なんかを、何時間も飽きずに見ていたので、彼の未完の
作品とも言えるサグラダファミリアで、日本人が働いていたと
知って衝撃だった。
外尾氏はいつの間にやら、素敵でダンディなおじさまになり、
サグラダファミリア建設に、なくてはならない人になっていた。
飛び込むようにここに来た頃とは比べ物にならないくらい、自信と
貫禄にみちてお仕事をなさっていた。
でも、当時の情熱はそのまま。新しく作る門を、ガウディの心を
探りながらまた自分の創作への思いを熱くぶつけていくのだった。
かっこいいなぁ
石と語り合いながら、彫っていく。
跳ね返った石のかけらで、腕が傷つき血が出ても、かまわず一心に
彫っている。
肥後の石工は、江戸時代の石橋を作る技術者集団だけど、外尾氏は
さしずめバルセロナの石工だね。
自分がこの世から消えて、忘れ去られたとしても、その作品が何百年
も残っているなんて、やっぱすごい。
永遠の時を生きる、そんな気持ちになるんじゃないだろうか