ポール・オースターの「幻影の書」を読んだ。(いつも3冊ほど
並行読みなのだ )
手を伸ばしたのは、表紙が気に入ったのと、内容が
突然消えた無声映画時代のスターが、実はまだ生きていて
自分の映画を密かに作っていた・・・と言う話で、前に読んだ
本を思い出したから。
わりと期待したけど、ちょっと外れたかなぁ。
前に読んだ本は
「フリッカー、あるいは映画の魔」 セオドア・ローザック著
これは傑作だった
先を読みたいけど、もったいなくて進めない・・・でも読みたい
そういう本。
内容はその映画を見ているだけで、知らないうちに精神に何かが浸食
していく。幻の映画監督を追いかける旅。
トリック自体はあれかーと思うけど、それを最後にどこへ持っていくかで、
全然違う。フリッカー・・は予想も付かない展開に、ほ~そこにいくか
と納得させる結末。
プロットが幻影の書と結構似てるけど、スケールが違うし、ちょっとだけ
フシギで、でもありそうだと思わせる内容が良かった。
幻影の書も、もっと内容を膨らませても良かったかなと思う。
例えば、秘密の暴露をもう少し引きのばすとか、ヒロインの過去を
もっとミステリアスにするとか。
主人公が立ち直ってゆく過程も行きつ戻りつ、そう簡単にしないほうが
いいな。もったいない。
もっとあるよ、ちよっとだけフシギな物語たち。
それはまた、いづれ