ぼんやり。
隣の子が、まさにそんな感じで外を眺めている。
光で、彼女の金髪が反射して少し眩しい。
つんつん、と脇腹を突く。
日本語のような英語のような、よくわからない言葉を発して驚いた。
こちらを向くと、少し顔を赤くして、
『用がアルなら、普通ニ呼んでくだサイ!』
少し怒っていたが、すぐに『なんデスか?』と聞いてきた。
なんとなく、と言うと、なんだこいつ、な視線でじーっと見てきた。
かと思うと、閃いたような顔をし、『ヒマなんですネ?』とニヤニヤとしている。
暇だから撫でてやる。
顔がみるみる赤くなるのが面白い。
…けど、人懐こい性格と知ってるとは言え、こんな許すのも凄いなぁ。
なんて、照れ隠ししてるような顔を見て思う。
満足して手を離すと、彼女は手櫛で髪を整える。
『少シは加減、シテくだサイ』と言ってるけど、
笑顔が隠しきれてないのを見ると、満更でもないんだなって。
そんな青春を送りたかった。
陰の者だからこれからもそんな事は無い。