よそのこいめぇじ3 | らきあの自由帳

らきあの自由帳

伺かとSS的な何かとマイナス思考と適当なところ







「…お帰り。」


私はコイツが好きじゃない。
なんだかんだ触ってくるし、ちょっかいかけてくるし…うざい。


「悪かったわね。お姉様は少し出てるわ。」


きょろきょろと探してるみたいだから言う。

意外とがっかりした感じはしてない。

だからといって、何故こっちにコイツは来る。


「やめなさい。…こら、触るな。」


近付いてきて、私の頭に手を置いて撫でる。

その気になれば手を払えるし、お姉様が居ない今なら多少手荒にしても大丈夫だと思う。

手を払うのはコイツには効かない。
というより、それにめげずに触れてくる。頭おかしい。


暫くして、ようやくコイツは撫でるのをやめた。

ようやく終わったのも束の間。
今度は色々と話しかけてくる。

好きだとか、何を言ってるんだ。
何度もこちらは拒否しているのに。

まぁ、お姉様にそういう事を言うよりはマシだけども。

いや、やっぱ嫌だ。


「…なら、誠意を見せなさい。そんなに私が好きなら、言葉だけでは納得できないわ。」


そんな度胸も無い癖に。

言葉だけの癖に。



そう思ったのが誤算だった。




「…え?ちょっと、顔が近…っ!?」


コイツは私を抱き寄せるばかりか、唇を重ねてきた。

頭のなかは物凄くぐるぐるとしているけど、身体は全く動かない。

暫くして離れたけど、それまでが物凄く長く感じた。


「はっ…え、あ…な……はぁ!?あ、アンタ何してんのよ!!」


混乱して言葉もなかなかまとまらない。

確かに言葉だけでは信じないとは言ったけど…言ったけど!

だからって!


「バカじゃないの!?」


これだから人間は!

明らかにやり過ぎたと思ったのか、必死に謝ってくる。

けど、流石に許す事が出来ない。

お姉様が居ない今、コイツを………


『…ダメですよ?』


背筋が凍る。嫌いなアイツの声。
苦手なアイツがいつの間にか居た。


『彼には私がなんとかしておくので、今日は…』

「わ、わかったわ…。」


アイツに任せてさっさとその場を離れる。



確かに、行動で示してきた事には感心した。

…何故、私はそう思った。

嫌いな奴の筈なのに。

気の迷いのはずだ。


でも、この気持ちはなんだろう。

次に会った時、聞いてみようか。


何で、邪険に扱ってるのに私に好きだと言ってくるのか。

好きだとか本気なのだろうか。

考えれば考えるほど、人間の考えはわからない。


コイツは特に異端過ぎる。






あえて、イメージ的には相性がよくなさそうのHさんとKさん(アイツ役)で。

多分、よくない波動を感じて止めに来たんだと思う。