夜中、1人の影が起き上がる
隣のもう1人はぐっすりと眠っているのを確認し、部屋を出る
「ひっひ、今のウチ~。」
ニヤニヤと、抑えきれずに小声で笑う
台所に行き、瓶を手に取る
コンロを灯し、手鍋に水をいれ暖める
瓶に入っている液体を別の容器に入れて、手鍋の中央に置いた
「まだかな~。」
水が沸騰すらしていないのに、我慢出来ない様子
小さな杯を用意し、まだかまだかと伺っている
「何が出来るんだ?」
「そりゃあ、熱燗に決まってるじゃ……。」
後ろからした声に反応し、返すまでは良かった
が、1人夜中に起き出しこうしてるのには問題しかなくて
恐る恐る振り返ると、隣で寝てた筈の人…男がいた
「げぇっ!」
「ふーん…」
「ちょっ、タンマ!タンマ!」
「問答無用。」
男は熱燗を用意していた人…女の頭を片手で掴む
そして、徐々に力を入れていく
所謂、アイアンクローなるもの
「あだだだだ!ごめんごめん!」
「勝手に飲むな、って言っただろうが…。」
「へへっ…我慢出来なく…ぎゃぁぁぁ!」
「悪い奴だなぁホント。」
その間に、手鍋に入った水は沸騰し、酒を温めている
男は女の頭から手を離した
「…それ、飲んだら寝るぞ。」
「はーい…いてて。」
火を止め、酒の入った容器を取り出す
女はもう1つ杯を取り出し、男に渡す
互いに互いの杯に、温かいというよりは熱い酒を注ぐ
杯を軽く当て、互いに自分の杯の酒を口に含む
「かーっ!うまいね!」
「…ホント、酒好きだよな。」
ケラケラ笑う女と、若干冷めた目をして女を見る男
「やっぱ熱燗が一番よ!…ビールとかも良いけど。」
「そうか。…だからペース考えろ。」
「だいじょーぶだって、へへっ!」
自分は下戸です、飲めません
飲めない事はないけど、すぐ眠くなるので飲まないです
ジュース感覚で飲むせいだと思う
ちびちび飲むのが出来ないw