貴方は気付いているのでしょうか
私が貴方を本当に好きな事を
あの時、貴方に言ったあの言葉
きっと、こんな私だから
貴方は戯れに興じる程度にしか思っていないかもしれない
それでもいい
私が生きている間だけで構わない
貴方に創られたこの命で
私は貴方と夢を見たい
「…顔に何かついてる?」
「えっ!?…い、いいえ?」
つい、貴方の顔を見て思考に耽っていたらしい
気付くと貴方と目が合っていて
胸がドキドキしてしまう
「人の居ない所にしか連れていけなくて悪いな。」
「いえ…仕方ないですよ。それに、私は貴方となら何処でも構いません。」
貴方は私の頭を撫でてくれる
その手が暖かく、心地良い
「なら、あそこに入ってみようか。」
「えっと…何がある建物なんですか?」
「仲の良い男女が身体のスキンシップを…」
「わわわ!そ、そんな所…」
貴方に言われて何をする場所かわかってしまい
私は慌ててしまう
そんな私を見て笑う、少し意地悪な貴方
「笑わないでくださいよー。」
「ごめんごめん。…君の反応が可愛くてさ。」
「そ、そんな事…」
「あ、ちょっとこっち見てくれるかな。」
貴方に言われて、貴方の顔のある方を見る
目の前には貴方の顔があって
見る見るうちに顔が赤らむのが自分でもわかった
貴方は私の
たった1つの瞳を、じっと見つめて顔を近付ける
私も貴方から目が離せない
恥ずかしいのに、じっと貴方を見つめていた
それが、貴方との初めてのキスだった