びーえる ごしつだん | らきあの自由帳

らきあの自由帳

伺かとSS的な何かとマイナス思考と適当なところ
















「ごめん、待たせたかな?」


彼との待ち合わせ場所で
彼を見つけ、近付く

今日は彼から誘ってくれた


「それで、どこ行くの?」


行き先も知らされてない
彼は僕を見て、頭を撫でた


「俺1人じゃ行きづらい所…だな。」

「…下着でも買ってくれるのかな?」

「ちげーよ。…欲しいのか?」

「君が選んでくれるなら…着けるけど。」


彼は照れたのか、舌打ちして顔を背ける

僕も彼も男だけど

僕は女の子の格好をしている

彼の要望でもあり
僕の趣味でもある


「んじゃ、行くか。」

「うん。」


彼が歩き出すのを見て

慌てて横につくように歩く

彼は男らしくて体格も良くて優しくて

正直、僕は彼みたいな男になりたかった

けど、僕は身長も無いし痩せ型だし

どちらかというと女の子っぽい顔立ちで

小さな頃から姉さん達に女の子の格好をさせられた

今は自らするようになって

それを彼に見られて

気持ち悪がられるのかなって思ったけれど

そんな事は無くて


「…あそこだ。」

「あー…確かに男1人じゃ行きづらいね。」


そこは、人気のケーキ屋で少しメルヘンチックな雰囲気が漂っている

彼は甘い物が好きで

僕が作るお菓子もよく食べてくれる


「お前も好きなの選べよ。奢るから。」

「いいの?」

「お前とならカレカノ扱いで入りやすいし、安いもんだ。」


彼に言われてショーウィンドーのケーキをじっと見る

どれもこれも美味しそうで、目移りしてしまう


「うー…悩む…」

「だな…一応決めて来たんだが、揺らぐな。」


2人して悩んで、ようやく決めた

彼に伝えると、彼にテーブル取っとけと言われた

どうやら、ここで食べるみたいだ

取り敢えず、壁際が空いていたのでそこに座って待つ

少しして、彼がやってきた

彼とテーブルを挟んで向かい合う様に座る


「…よく見たら、薄く化粧してんだな。」

「あ…うん。変かな?」

「いや。…可愛くなってる。」

「ありがと…。」


なんだか照れくさい

彼は頬を掻いて、僕は俯いて照れくさいのを紛らわそうとする

その時、店員さんが注文したケーキ達を運んできた

僕達はそれらに舌鼓をうった

甘いけど、甘すぎなくちょうど良くて

とても美味しかった


食べ終わって紅茶を飲んでると

急に彼が僕の頬に手を伸ばす


「付いてる。」


生クリームがいつの間にかついていたらしく

彼の指がそれを拭い、その指を舐めた


「ありがと。」

「…さて、この後どうする?」

「じゃあ…さっき言ってた事が良いな」

「さっき…?んー…」


彼は記憶を遡っているのか考え込んだ


「あー思い出した。…本気かよ?」

「うん。…君の趣味がわかるから。」

「あんま良い趣味じゃないって思われそうだ。」

「大丈夫だよ。君の趣味に合わせてあげたい、ってのもあるしね。」


彼を見て笑ってると

彼は顔を背けた

席を立ったので、僕も席を立ちついていく

彼が無言で手を出してきたから

僕はそれを受け取り

僕達は手を繋いで歩き出した