きっかけは何時どう起こるかわからない | らきあの自由帳

らきあの自由帳

伺かとSS的な何かとマイナス思考と適当なところ














今日は何月何日だろう

朝なのか昼なのか夜なのか

時間の感覚が薄れ
わからなくなっていた


私の部屋
私1人

ドアが叩かれる音
誰かが何かを言っている

けど、聞き取れない

事柄はわかっているのに
頭に靄がかかってハッキリと認識できない曖昧な状態


音が止む



そういえば
私はどうして部屋に居るのだろう
どうして部屋から出ないのだろう


思い出せない
本当に?
思い出したくないんじゃないのか

ドアにふらふらとした足取りで向かう

私の部屋の筈なのに
ドアがとても遠く感じる

なんとかドアの前に立ったけど
ドアに背を預けてへたり込む


うつらうつらと瞼が重くなり

そこで意識は途切れた






意識は、控えめなノックで引き戻された


誰かがドアの向こうで喋っている
優しく、暖かい声

その声で誰かはわかった

わかったけれど、私は耳を塞ぐ

何故だろう

聞きたいけれど
聞きたくない


彼にとって何気ない昔話

私は聞き流すだけ
懐かしむ事すら無く


そして、昔話を聞いていると
彼の顔を見たくなった
思い出せない彼の顔

けど、ドアを開ける気にはならない

何故開ける気にならないのかわからない


彼のある言葉に頭が痛む

それが鍵だったのかの如く

何故開ける気にならないのか
何故部屋にずっと居るのか
何故部屋から出ずに居るのか

思い出した


けど、思い出したくない記憶でもあった


悲しくなって
苦しくなって
吐き気も催してきて

涙がポロポロとこぼれ落ちた


そんな事を知らない彼は
次の彼の言葉で

私の背中を後押ししてくれた


私はようやく

ドアに手を伸ばし

ゆっくりと開いた


彼の喜んだ顔
そして泣いてる私を心配する顔


そうだ
彼の顔はこうだった


思い出せた安堵感
彼に心配かけた申し訳なさ

色々な感情が混じり合い

彼の胸に身体を預けて

私は再び泣いた




そんな相方はたまにそんな昔話をして私をからかう

当時は自分としてはとても辛く悲しい事だったのに


でも、今となっては笑い話に近いかな


それが私と彼が

幼馴染という関係ではなくなり
恋人という関係に変わり
相方という関係に変わるきっかけのお話










なんで引きこもったかは各々の解釈で構いません