※続きだったり
兄「取り敢えず、先ずは何か食べるか。」
女「起きてから何も口にしていないし、その意見には賛成する。」
兄「なら、お前のいきつけの喫茶店にするか?」
女「そうしようか…って、何故私に聞く?君は全てが決まってるのだろう?」
兄「一応、確認しないとな。嫌がる所に行っても、互いにつまらんだけだしな。」
女「珍しく…考えてはいるんだな。」
兄「珍しく、は余計だ。」
女「構わないさ。」
兄「なら、行くか。」
カランカラン
友「いらっしゃいませー。って、女さん達か。」
女「いつもの。」
兄「軽食は無いか?」
友「メニューを見ればわかりますよ。」
兄「面倒だな…」
女「メニューが多いと迷う。私のオススメはタマゴサンドだ。」
兄「じゃあそれとコーヒーを頼む。…お前はいきなり甘い物で良いのか?」
女「構わないさ。それに、甘い物の方が頭が冴える。私は、だがな。」
女「それより、よく[いつもの]が甘い物と気付いたな?」
兄「…前に手痛い出費があったからな。」
女「そういえば、そうだったな。」
兄「…あそこの店は甘い物好きが経営してるのか?」
女「なんだ、知らなかったのか。」
兄「あんな甘いタマゴサンドなど食べた事無い。」
女「程良い甘さだと思うのだがな。」
兄「俺はお前と違って甘さには耐性が低いからな…まぁいい。」
女「次はどこだ?」
兄「先ずは電車に乗る。」
女「電車か。…となると、私の予想としては彼処かな。」
兄「…予想するな。」
女「それは無理と言うものだよ。」
兄「…という訳で、着いたぞ。」
女「美術館とは…想定外だ。」
兄「悪かったな。」
女「まぁ…絵は好きだからな。君はそうでもないかも知れないが。」
兄「誰が描いたかは興味はないが、たまに研究のヒントになるからな。嫌いではない。」
女「動機は邪だが…まぁいい。」
女「ふむ…ここはこうして描いているのか…」
女「絶妙な色使いだな…この色を出すのは苦労しただろう…」
兄「…さっぱりだ。」
女「だろうな。…悪いが、君の分野の管轄外だろう?」
兄「見るだけで、詳しくは知る必要が無いからな。」
女「君の研究がわからない道理と同じさ。」
女「有意義な時間だった。」
兄「そうか。」
女「…で、次は?」
兄「近くの公園を少しブラブラするか。」
女「…完璧なプランが聞いて呆れるな。予定はここまでしか考えてなかったのか?」
兄「う、五月蠅いな…」
女「でも、たまにはそういう時間も良いのかもな。」
女「…とは言ったが、思ったより自然が豊かだな。」
兄「まぁな。」
女「最近、少し忙しかったから丁度良いかもしれない。」
兄「…っと、少し用を足してくる。」
女「あぁ、行ってこい。」
女「まぁ…生理現象だから仕方無いとは言え…まったく…」
女「だが…日差しは丁度良い、風も心地良い…天気としてはベストだな。」
女「…これも計算のうちか?…いや、そんな筈無いか。」
兄「だから言っただろう、完璧なプランがあると。」
女「遅かったな。君が戻るまでに、3人から声をかけられたぞ。」
兄「なっ!?…おのれ、どいつだ!?」
女「冗談だ。君をからかうのは面白い。」クスクス
兄「は、恥ずかしい奴め…」
女「君がそれを言うか。」
女「で、次に連れられたのは…完全に君の趣味だな。」
兄「まぁ、出掛けたついでだ。」
女「デートにこの場所は考えられないな。」
兄「まぁな。普通はこういうマニア向けな本屋には連れて行かないな。」
女「…独特な香りがするな。何だろうか。」
兄「こういう店は独特な香りをどこも放つな。説明出来ない、とても独特な。」
女「そして客も独特な。」
兄「最近は普通の見た目の奴も居るがな。有名になると俺みたいなのは消えてしまう。」
兄「だが…俺は気にしないから何ら問題は無いがなフゥーハッ…おっと、静かにしないとな。」
女「それで、何を買うんだ?」
兄「薄い本。確か今日入ると聞いたんだが…」
女「君は最低だな…。何が面白いのか。」
兄「その作者の考え方がわかるからな。外れもあるから見極めは難しいが…お、あった。」
女「宝くじみたいな物か。」
兄「そんな感じかもな。」
女「理解しがたいな。」
女「…で、本以外にも色々買っているようだが。」
兄「つい、癖でな…。」
女「女の前で堂々と、己の欲を満たす為のゲームを買うとは…流石に思わなかったが。」
兄「いや、あれはそういう不純な物ではなく…」
女「なんだ?」
兄「…いや、なんでもない。」
女「なら、そろそろ帰るか。」
兄「そうだな。暗くなり始めてきてるし。」
一旦区切り
もう少し続けたい(願望