10章 | らきあの自由帳

らきあの自由帳

伺かとSS的な何かとマイナス思考と適当なところ

※前回の続き












目覚ましが鳴り、かなたは目を覚ます。
寝ぼけ眼で時計を見ると、結構な時間が過ぎていた。
少し寝過ごしたなぁと思いつつ、日課の境内の掃除をする為に巫女服に着替える。

朝日が顔を見せ、辺りが段々と明るくなっていく。
昨日は風が強かったのか、ゴミが多く散らかっていた。それらを竹箒で掃き、1カ所に集める。


「ふぅ…ん、あれ。あの人は…」


ちりとりを取りに神社の中に入ろうとした時、見覚えのある人が境内に居る事に気付く。
その人も、かなたの視線に気付いたのか会釈して近付いてくる。


「いやぁ、かなたちゃん。久し振りだねぇ。」


無精髭を生やしたスーツ姿だが、ネクタイを緩めに緩めたラフな格好の中年の男性が話しかけてくる。


「朝早いですね、梅沢さん。…何かあったんですか?」
「梅さんで良いって言ってるだろ。……まぁ、かなたちゃんに折り入って頼みがあるんだが。」
「……わかりました。では、こちらに。」


梅沢と呼ばれた中年の男性の発言に、かなたはすぐに内容を察した。
梅沢を客間に案内し、先に掃除を済ませてから客間に戻る。


「…それで、頼みとは何でしょうか。」


机を挟んだ向かいで、胡座をかいて煎茶をすする梅沢にかなたは問い掛ける。


「感の良いかなたちゃんなら気付いてるだろうが……事件に関して手伝って欲しい。」
「……連続殺人事件、ですか。」


梅沢はかなたの言葉を聞いて無言で頷く。
実は梅沢は刑事であり、たまにかなたにこうして協力を請う事がある。

この朝陽町は、久遠家の様に霊に強い家系が幾つかある。
それ故に、そういった不可解な問題も多く、こういった協力を請うのも珍しくはない。


「…わかりました。では、着替えてきます。」


軽く溜め息の様な物を吐き、かなたは協力を承諾した。
以前も何度かこうした事はあったが、あまりかなたは気が乗らない。
それは、霊と話すのは精神的な疲労がくるので、直ぐに疲れ果ててしまうから。

かなたは立ち上がって客間をあとにし、自分の部屋に戻る。
巫女服を脱ぎ、一糸纏わぬ姿となる。かなたは巫女服を着ている時は下着類は身に着けていない。
清楚な白い下着を身に着け、タンスを開ける。

袖の長い白いシャツに手を通し、太ももの中頃くらいまである黄色いオーバーニーソックスを穿く。
青い袖の無いワンピースを着て、腰の辺りをベルトで止める。
髪留めと靴下と同じ、黄色いスカーフを胸の上辺りに結んで、かなたの着替えが終わる。

かなたのこの服装は、こういった仕事の時だけ着ている。
いわゆる、霊関係の仕事用の服装である。

かなたは部屋を出て、再び客間に戻ると梅沢は茶菓子を食べながら庭を見ていた。
かなたが戻ってきたのに気付き、かなたを見る。


「お待たせしました。それでは、案内して下さい。」
「わかった。それじゃあ、車があるから乗ってくれ。」


梅沢は立ち上がって先を歩く。かなたはそれについて行く様にして歩き出す。












この辺で〆

服装は、せっかくなので原案のすぴちゅ氏の絵を基にさせて頂きました。

ちょっと短めかな?
最近書いてなかったから、長さがわからんくなっとる。