*ドタバタドタ | 月夜の記録

月夜の記録

月夜の記録

お母さんが帰ってきた。ピンポン連打から始まりドアのドンドンドン、ガチャガチャガチャ、とにかく押しかけてくる感じ怖かった。今日帰ってきた。それなら私も鍵どっかに入れとけばいいんだけど気づかなかった。お母さんからもなんも言われてないし。それでドア開けた瞬間ぽかーんとした顔でこっち見てくる。あの顔が怖い。あの家族親戚は顔がいつも前に出てるの。愛してほしいから、受け入れてほしいから、助けてほしいから、褒めてほしいから、満たされないから満たしてほしいと。こっちを見てこっちに来てって。おばさん、おばあちゃん、お母さん、みんな表面的な行動は違うけど、みんな受け止めてよって必死。普通の人は立ってる時、顔と体、横から見て一直線でなんだけど、あの人たちはそれ欲しさに顔が突出してこっちに走ってくる。子ども…小さい子どもって好きなものに顔から向かって走っていくでしょ。体が追いついていないような。そんなイメージ。そこに加えてきょとんとした顔や怒った顔、物乞いをするような顔。それも、ただ見てくるんじゃない、目の奥を、こっちがガードを張っていてもそれを突き破ってこちらの中を見てくるような鋭い尖った目つき。あれ、いわゆるお局おばさんとかよりも怖いの。お局おばさんたちは単に自分が不機嫌で勝手に怒ってるだけでしょ。あーはいはい、気に食わないのねー。てほっとけばいい。でもあの人たちは自分を受け入れてほしいがために、どんな手段でも押し寄せてくる。どんなに抑えても、拒否しても、防いでも、強風のような津波のような地震のような。ごめんなさい。それらを例えにするのもどうかと思うけど、そんな感じ。いくら頑丈な堤防、建物、土嚢、それらも簡単に撃ち壊してしまう。そしてちょうだいよちょうだいよと境界なくこちらに求めてくる。とても怖い。

帰ってきてドタバタが戻ってきた。これは単に母の足音が少し気になるだけなんだけど、本来はうるさいなあだけで済むはずなのに、顔から向かって急いで走っている感じ、何かに急かされて何かが満たされなくていつもあのキョトン顔で、、うーん語彙力ないってこういう時悔しいなあ。ぴったりの言葉が見つからない。とにかくあのキョトン顔、どんなに硬い盾も突き破ってみてくる眼光が怖いのよ。普通の怖さじゃないのどちらかというとホラー的な怖さ。本当にいつもどこかから見られているような、見終わった後も脳裏に焼きつく、あの、、うまくいえないけどあの顔。いつもあの足音だから、単にうるさいだけのそれは、足音を聞くとこちらに押し寄せてくるあの感じとセットになっていて、だから足音を聞くと恐怖心と体が緊張感に襲われる。パブロフの古典的なやつ条件反射だね。こわい。

そして今気づいた。これまで力が入っていたんだって。多分あの人はもうわからない。だから身を守るための行動と、早く家を出れるだけの準備をしなくては。そのために今は病院に通うの。だからがんばる。

追記19:22
朝はこわいで埋め尽くされた。