長年武装勢力から狙われ続けてきたシンガポールがステージに選ばれた。鉄壁と云われるテロ対策が、彼らを守るために選ばれたのは解るがどうも理由はそれだけではないようだ。兼ねてからシンガポールに憧れ本気で目指しているという金正恩と、ムスリムからの顰蹙をわざわざ買ったトランプにとっては、それぞれシンガポールに学びたいものがあるのだろう。

シンガポール国民の半数以上が、周りを囲むイスラム武力勢力からの攻撃はいつ起きてもおかしくないと答えるのだという。また、そう答える国民のほとんどは民間防衛の意識が高く、だからこそ経済での成功を収めたと自負するらしい。北朝鮮が南朝鮮を取り込んだ場合、一億人にすぐ手が届く巨大な国家が誕生する。無茶な夢ではないことが判ってくる。

まもなくキリスト教を超え世界最大の宗教勢力となると見込まれているイスラム教。もちろん、そうするべく力を蓄えているムスリムへの対応を米国は始めたのかもしれない。まずは、中国の首を立てにふらせるために有効となった。交渉やバランスの解決はもう望んでいないと思ったほうがよさそうだ。だったらやることは一つになってしまう。

こんな脅しでムスリムの怒りが沈静するとは到底思えない。中東戦争は四次も続いて、それでも無駄になった。すべての平和交渉はあらゆる阻害策で潰されたのだ。今回は陣取り合戦ではない。世界中のムスリムが神の降臨を待ち、審判を覚悟していることを忘れてはならない。トランプはその日を待っていると考えるほうが自然なのだろう。

この時代の様々な国の人々がニヒリズムに苦しんでいるのは確かであろう。毎日物騒なニュースしか流れないのだからたまったものではない。情報過多のせいでエピステーメーを制御しておく試みは通用しなくなった。「今」は、神を目指すものたちにとっては千載一遇の機会なのだ。カオスはそのために作られるのか。