話し方は練習中につき | 紫苑の徒然日記

紫苑の徒然日記

育児を中心に、日頃感じることを気ままに。

ディズニーの作品で『塔の上のラプンツェル』というお話をご存知でしょうか。
主人公のラプンツェルは王家の子として生まれますが、諸事情で、まだ乳飲み子の頃にゴーテルという女に拐われます。
そして、そのゴーテルを母だと教え込まれ、塔の上で軟禁生活を強いられながら、18歳直前まで過ごします。

このゴーテルが、話の序盤でラプンツェルに「ぼそぼそ話さないで。私、そういうの大っ嫌いなの。いつも言ってるでしょ」というようなことを言います。
ラプンツェルにとってゴーテルは世界の全てですから、否定的な言葉を言われて怯えたような表情になります。
それを見て、ゴーテルは満足したように「あら、冗談よ」ととりなすのです。

このようなやりとりが時々差し込まれ、ゴーテルが精神的にラプンツェルを支配していることが表現されています。
いかにも悪女だなぁという感じで、個人的には見るたびに嫌悪感を抱くのですが、ある日、気付いた事実に衝撃を受けました。

娘と会話をしていると、内容を上手く聞き取れないことはままあります。
「え?何?」と聞き直すと言い直してくれるのですが、モゴモゴぼそぼそと喋るのでやっぱり聞き取れない。
諦めたくなくてまた聞き直すのですが、そのうちに「もー、○△□◇▽●■◆▲▼だって言ってるじゃん」と娘が癇癪を起こします。
こちらもどうにか聞き取ろうと頑張っているので、カチンときてしまい、「ぼそぼそ話さないでよ、全然わからないよ。お母さんだって頑張ってるんだから、そーやって怒るのキライ!」と言ってしまうのです。
言った直後に、あれ、これどこかで聞いた台詞だな、といつも感じていました。
それが、あれほど嫌悪感を抱いているあのシーンのセリフと同じだとようやく気づいたのです。
そのショックたるや。少なくとも子どもに対して「キライ」はダメだったなと猛反省。

かなり喋れるようになってきたとはいえ、4歳児の滑舌なんてまだまだ未熟。
それから、娘は言葉が出てこないとき「あのね」「あのさー」を多用するので焦れったくなってしまう。
さらに、「あのさー」「だもんでさー」(だもんでは、だからの方言です)「~って言ったじゃん」など、
話し始めと末尾ははっきり言えるのに、肝心の内容はモゴモゴっと口ごもりながら話しがち。
おいおい、一番聞きたいところが一番聞こえてこないよ、ってなる。

まだまだ話し方の練習中だというのは承知はしてるのですが、こちらも気が短いゆえ。
でもって、いつもより一層滑舌が悪くなるときというのは、不機嫌な時か眠いときと相場も決まってる。
娘の調子が良い時を見極めきれない私が完全に未熟。
こうして思い起こしては反省するたびに、オノレの器の小ささとか、親としての未熟さを思い知ります。
「親になるのではなく、親にしてもらう」なんて言葉を聞きますが、「親」にしてもらうというよりも「大人」にしてもらうという方が近いかもしれません。
娘も成長ですが、私も一緒に要成長なのです。