平日休みのある家庭や、育休中の家庭などは、4時にお迎えと決まっています。
5時くらいまでは各クラスで過ごすようですが、それ以降は合同保育に変わります。
娘が保育園に入園した2年半前から、ずっと顔馴染みの女の子がいます。今はもう年中(5歳)くらいかな?
本人の一人称が「私」なので名前は未だに分かりませんが、その女の子は娘の名前をちゃんと覚えていて、「娘ちゃんのママー」とよく声をかけてくれます。
この女の子、どちらかというとお迎えが遅いグループのようで、娘を迎えに行くと大抵顔を見かけます。
保育士に声をかけて娘を引き取り、職員室前にある貸出文庫で絵本を借りていくのが娘のお決まり。
基本的に、お迎えが来るまでは合同保育の部屋で過ごしますが、先ほどの女の子だけは時々、先生と連れだってやってきます。
先生は戸締まりの為に各教室を回り、それに付いていく時もあれば、娘と一緒に絵本を選ぶこともあります。
この女の子、話すことといえば「こっちの絵本はこうでねー」「この絵本はこういう話」「今日あんなことがあってね」という感じ。
ところがある日、ずいぶんとしょんぼりした様子でした。
話しかけるタイミングを探っていたら、女の子の方から声をかけてきました。
「今日はママが遅いんだー」「先生のお手伝いしてたんだよ」「お手伝い頑張ったんだ」「早く来ないかなー」
いつも溌剌とした笑顔の子があんまりしょんぼりしていたので、まるで我が子のことのように胸がしめつけられました。
安易に「きっと早く来るって」なんて気休めは絶対に言えないです。
「お母さん、お仕事が忙しいんだね。きっとで一生懸命迎えに来るね」「先生のお手伝いなんてすごいね。さすがお姉さんだね」
そんなことしか言えませんでした。気のきいた言葉が見つからない自分にがっかりしました。
娘は、迎えに行っても私にはお構い無しで夢中で遊んでいるときもあれば、待ってましたとばかりに駆け寄って抱きついてくる時もあります。
今まで、駆け寄ってくる娘に「今日は無視されなかったな」くらいの感覚しかありませんでした。
でも、この女の子を見て「実は娘も寂しくなっていたのかな」と考えを改めました。
私は私なりに、少しでも早くお迎えに行けるようにと頑張っています。
娘だってずっと寂しい訳ではなくて、多分、昼間はお友だちと楽しく遊んでいるのです。
でも、夕方、保護者が迎えに来て、一人、二人と友だちが減っていく様子は、やはり寂しいものがあるのだと思います。
数日経った今でも、あの寂しそうな表情が忘れられなくて、思い出す度に目頭が熱くなります。
親が我が子を想わない訳がないのだけど、色んな事情で保育園に預けています。
いっぱい遊んで楽しんで、でもちょっと悲しかったり寂しかったりしてしまったら、そのサインにちゃんと気付いて受け止めてあげられるようになりたいです。
名前は知らない、でも顔見知りの小さなお姉さんに、大切なことを改めて教えてもらった気がしました。