K大学病院の正月休み明けの1月4日、指定された午前の時間に入院しました。そして病室の説明や注意事項などのオリエンテーションを午前中に終えて、午後のB先生からの“手術についての最終説明”を待ちます。


 夕方近くにB先生が病室に来られて、明日は午後3時頃から手術を行うことと「手術は内皮細胞を残すやり方で行います。」と言われました。ちなみに内皮細胞を残す方法は非常に難しい方法ではすが、術後に拒絶反応の可能性を抑えられると聞いていたので安心しました。(手術後、先生から「やはり角膜が非常に薄かったので、内皮を残すことができず全層移植に切り替えました。」と説明されました。(ちょっと残念。)


 1月5日(手術当日)、昼食を終えて後は手術を待つばかりというタイミングで、精神安定剤を飲み、手術を行う目の下に麻酔シールを貼られました。そして点滴です。
 点滴を行う理由は、手術中に例えば血圧が急激に上昇するとか身体に異常があった場合に、点滴の中に薬を注入することで速攻対応できるようにすることが目的とのことです。従ってこの点滴の中身は何の効果もない生理食塩水です。

 さて、手術の時間が来ると看護師さんが車椅子を持って迎いに来てくれました。そして点滴と一緒に車椅子で手術室へ移動です。手術室に到着するとこれまでの看護師さんはここまでで、あとは手術室で待機していた別の看護師さんへバトンタッチです。


 そして手術室に入り、手術台へ向かいました。手術台と言っても床屋さんか歯医者さんのシートのような感じです。手術室には静かなクラシック音楽が聞こえていました。これは先生のためか?患者をリラックスさせるためか?どっちもか?、などと考えていましたが、私にとっては少しリラックスできて良かったです。


 いよいよ手術の開始です。右目の部分に穴が開いている布を顔に掛けられ、右目の下に貼られていた麻酔シールが剥がされました。そして目の局部麻酔注射の登場です。当時の視力では見えなく確認できませんでしたが、眼球の裏側まで届く長い針の付いた注射のようです。


 以前ネットで調べた情報によると、「この注射が一番痛かった」と何方かのレポートがありましたが、私の場合は麻酔シールのお蔭だと思いますが全く痛みは感じませんでした。ただ、針が目の奥の方まで入っていく感じが気持ち悪かった。


 注射が終わると目は自分の意志で動かすことができなくなります。そして10分ほど目の上に重りが乗せられました。この重りの役割は、目をできるだけ平らにして手術しやすくするのではないかと素人的に考えていました。


 その後トレパンという器具を使って角膜を切り取ります。もちろん痛みは全くありません。
 私は緊張の中で「これで自分の角膜とおさらばだな。」などと考えていました。あまりにも緊張が強かったため、血圧がそうとう高くなったようで、途中で降圧剤を点滴に入れられたことを書いておきます。本当にチビリそうでした。


 その後、ドナーから頂いた角膜が目の上に乗せられると、何やら皮みたいなものが目の前に浮いているような感じがありました。そして丁寧に縫い合わせます。多分縫う前に目にハンコのようなもので、縫う位置に印を付けていたような気がしますが、光しか感じることができないため感覚だけのレポートです。


 そして最後に感染予防の注射をします。5秒間くらいかかる注射で、これが痛かった。注射の間ずっと「これで終わりだ!こんな痛さは円錐角膜での目の痛さに比べれば大したことはない、これで終わるんだ。がんばれ、がんばれ」と心の中で叫んでいたのを思い出します。


 手術時間は約60分でした。目に大きなガーゼを当てられその上からテープで固定しています。またガーゼの中には硬い板のようなものが入っていて目を守ってくれています。
 病室まで再び車椅子で移動し、あとはゆっくり寝て回復を待つのみです。麻酔が効いているせいか痛みは全くありません。


 1時間後の夕食も無事に済ませ、あとは寝るだけでしたが、手術が終わってから3時間くらい経過した頃から麻酔が切れ始め、目が痛くなってきました。


 最初は飲み薬を貰って飲んだのですが、痛みは激しくなるばかりでギブアップ。座薬でようやく痛みが引いていき寝ることができました。こんなんだったら最初から座薬を入れて欲しかったと思う次第です。