『美徳のよろめき』/三島由紀夫(新潮文庫)

本当にすごいと思った。
これは芸術品ではないか!!
表現が本当に美しく、聖なる空間。
でも内容は「不倫」です(笑)
これは雑誌でちらっと載っていた本。
3月頃、そういう時期なのか?知らないが、
雑誌でも「不倫」を扱う記事が多かったのだ。
雑誌でも「不倫」を扱う記事が多かったのだ。
私はそんな憧れがあるわけでも何でもないが、
なんとなくそのテーマのものを読み漁っている。
なんとなくそのテーマのものを読み漁っている。
最初は言葉遣いが読みにくかったけど、
そのうち辞書を片手にゆーっくりと・・・
そのうち辞書を片手にゆーっくりと・・・
結局、続けて2回リピートしました!!
本当に美しかったのです!!
この本では完全に女性の視点で書かれており、
彼女の夫と愛人の男の気持ちは、まったく書かれていない。
彼女の夫と愛人の男の気持ちは、まったく書かれていない。
この二人の男性はいったいどんな気持ちだったのか?
・・・ぜひともこれを読んだ男性の感想を聞きたいところだ。
私は個人的に、この愛人の行動はいけ好かん。
最後まで飄々としていたではないか・・・!?
最後まで飄々としていたではないか・・・!?
それとも気持ちを表に出さない、この時代特有の青年なのか?
昔は姦通罪(不倫を罰する)というのが存在し、
この作品はそれがまだ適用されている時期の作品みたいだ。
この作品はそれがまだ適用されている時期の作品みたいだ。
これだけ「不倫」というものが背徳的であった時代に
その姿をこれだけ、さも美しい物語に仕上げてしまうのだから、読む価値もあろう。
その姿をこれだけ、さも美しい物語に仕上げてしまうのだから、読む価値もあろう。
端々にみられる、節子のぼーっとした心情や、ありありと見える風景、ぼんやりした風景・・・
とても素敵な表現がいっぱいあった。
良いとこ育ちの節子がそのうち知っていく「嫉妬」や、恋愛への打算、
そんな苦悩を快楽に感じていく身体と心、
追いつつ追われたい女性の複雑な心境や、
現実にしなくてはならない行動と、会ったら心変わりしてしまう心境・・・
そんな苦悩を快楽に感じていく身体と心、
追いつつ追われたい女性の複雑な心境や、
現実にしなくてはならない行動と、会ったら心変わりしてしまう心境・・・
なぜ三島由紀夫はこんなにも女の心を捉えているのだろうか??
女性の月々のアレ、の表現も本当に神的!
「聖女」を意識した表現がたくさんあった。
本当に美しい・・・
厚さ7ミリほどの薄い本だが、
表現内容はかなり充実。
表現内容はかなり充実。
ストーリーとしては、一山の不倫ですっきり終わる。
総合ランク★★★★★(当ブログ比)の、最高傑作品!!