約束の場所を探して
彷徨い歩いているうちに
辿り着く知らない街は
静かに僕らを迎える
眠り続けていた
あの日の落とし物が
手招きしてすれ違い
誰もが知らんぷりする
声をかけてくる呼び込みに
つられて進む路地裏で
うずくまる子猫たち
埃まみれのその姿に
僕らを重ねて小さく泣いた
春と夏と秋と冬の曲がり角
僕たちはまだ行き先を
決められずに佇むけど
あのバスに乗り込めば
目的の場所にほんの少しだけ
連れて行ってくれるから
握りしめた夢のかけら
乗車賃代わりに投げ入れ
行き先も知らぬママに
温もりに身を委ねる
窓の外は土砂降りの雨
晴れると良いな
約束の場所に着くまでには